【解法の要点】
「大気汚染に係る環境基準」の各項目について問われた初めての問題.今後も出題される可能性があるので,各選択肢の内容についておさえておこう.なお,解説の執筆にあたっては,環境省のホームページを参考にした.
この問題は出題当初の情報を元に解説が書かれています.最新の情報を「令和2年度 大気汚染状況について」で確認しましょう
【解説】
×(1) 微小粒子状物質(PM2.5)は,浮遊粒子状物質(10μm以下の粒子)のうち,特に粒子径が2.5μmの粒子を50%の割合で分離できる分粒装置を用いて,より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子をいう.細気管支から肺胞に達しやすく,呼吸器系や循環器系への影響が懸念されている.
×(2) 二酸化硫黄の主な発生源は,化石燃料を燃焼させる工場からの排煙中に多かった.自動車の排気ガスには,一酸化炭素や窒素化合物,二酸化炭素などがある.
×(3) 光化学オキシダント(主にオゾン)の環境基準達成率は,一般環境大気測定局,自動車排出ガス測定局ともまったく達成できていない.ちなみに,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,二酸化硫黄,一酸化炭素については,環境基準達成率が90%を超えている.
×(4) ジクロロメタンは,化学工業製品の洗浄や,塗料の有機溶剤などに使用されている.
◯(5) ベンゼンは,化学工業製品の合成原料として使用されているが,ガソリンにも含まれている.白血病の原因となる.
正解 : (5)