【解法の要点】
医療保険制度については,幅広い内容から問われる傾向がある.特に本問のように自己負担や保険料に関することは,出題されやすい.機会があれば,自分の保険証や医療機関受診時の明細について確認してみよう.
【解説】
×⑴ 75歳以上の患者は,原則として後期高齢者医療制度の被保険者となる.同制度の窓口負担金(自己負担)は,原則として1割であるが,所得が一定以上の者は3割となる(「高齢者の医療の確保に関する法律」67条).
○⑵ 文章通り.後期高齢者医療制度の財源の構成は,公費5割,後期高齢者支援金(現役世代からの支援)4割,高齢者である被保険者の保険料1割である(同法93,96,98条 等).
×⑶ 健康保険,国民健康保険などのわが国の医療保険制度は原則として,物やサービスで給付される現物給付である.(「健康保険法」63条,115条 等).
×⑷ 保険料率は,保険制度・保険者によって異なる.なお健康保険では,都道府県単位保険料率が採用されている(「健康保険法」160条 等).
×⑸ 現在の自己負担割合は,原則として,被保険者の年齢によって決まるもので,制度を問わない.自己負担割合は,原則3割,例外として6歳の3月31日まで(小学校就学前)と70歳以上75歳未満は2割である(「健康保険法」 74,110条,令34条 等).
正解 : (2)
【解法の要点】
医療法」に関する出題である.医療計画の策定とその内容,医療提供施設の定義などが頻出であるので過去の出題内容を確認しておこう.
【解説】
×⑴ 医療計画は,医療提供体制の確保を図るための計画であり,都道府県が策定する.(「医療法」30条の4第1項).
○⑵ 文章通り.医療計画では,療養病床,一般病床,精神病床,感染症病床,結核病床のそれぞれについて,基準病床数を定める(同法30条の4第2項17 号).
○⑶ 災害時における医療は,医療の確保に必要な事業,すなわち5事業のひとつとして定められている(同法30条の4第2項5号).
○⑷ 三次医療圏とは,最先端または高度な医療を提供する病院病床の整備を図る区域をいう(同法30条の4第2項15号).
○⑸ 病院とは20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう.診療所は,無床もしくは19人以下の患者を入院させるための施設を有するものである(同法1条の5).
正解 : (1)