【解法の要点】
神経系の解剖学は勉強しづらい分野の1つであるが,中枢神経系と末梢神経系の分類,視床下部と延髄にある中枢は覚えておくこと.
【解説】
◯(1) 文章通り.妊娠初期に葉酸が不足すると神経管閉鎖障害が起きやすくなるため,十分な葉酸摂取が推奨されている.なお,神経管は,発生の過程で中枢神経系のもととなる管で,これが閉鎖しないと胎児に神経管閉鎖障害が起こる.
×(2) 脳神経は,脳から出入りする末梢神経であり,末梢神経系に属する.末梢神経系には他に,脊髄から出入りする脊髄神経がある.なお,中枢神経系に属するのは,脳と脊髄である.
×(3) 中脳は,間脳と橋の間にある.橋と脊髄の間にあるのは,延髄である.
×(4) 体温調節中枢は,視床下部にある.延髄には,血圧調節中枢などがある.
×(5) 摂食中枢は,視床下部にある.視床には,嗅覚以外のすべての感覚情報を集める中継核がある.なお現在では,視床下部以外に,他のさまざまな脳領域やペプチドなども食欲調節に関わっていることが分かっている.
正解 : (1)