【解法の要点】
呼吸器の構造とその機能については,毎年のように出題されている.呼吸の仕組みや酸素の運搬について確実に理解しておこう.
【解説】
×(1) 右肺は,上葉,中葉,下葉の3葉からなる.左肺は心臓が近いため,右肺より小さく,上葉,下葉の2葉からなる.
×(2) 横隔膜が収縮すると,胸腔が広がり,息を吸い込む(吸気)ことができる.逆に,横隔膜が弛緩すると,胸腔が狭まり,息を吐き出す(呼気)ことができる.
◯(3) 文章通り.血中二酸化炭素分圧が上昇すると,細胞の酸素需要が高まり,ヘモグロビンの酸素結合能力は低下する.つまり,ヘモグロビンは酸素を放出しやすくなる.逆に,二酸化炭素分圧の低い組織では,ヘモグロビンの酸素結合能力は高い.
×(4) 内呼吸は,末梢の組織で,血液中の酸素を細胞に取り込み,二酸化炭素を排出するガス交換のことである.肺胞で行われるガス交換は,外呼吸という.
×(5) 肺のコンプライアンスとは,胸腔内圧変化に対する肺気量の変化のことであり,肺の膨らみやすさの指標となる.肺のコンプライアンスが大きいほど,肺は柔らかく膨らみやすい.拘束性肺疾患などでコンプライアンスは低下し,慢性閉塞性肺疾患(COPD)などでコンプライアンスは上昇する.
正解 : (3)