【解法の要点】
血液系疾患の病因,病態,検査値異常についての基本的な知識を整理しておこう.
【解説】
×(1) 血友病は,血液凝固因子のうち,第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の異常により起こる出血性疾患であり,伴性劣性遺伝する.なお,ビタミンK欠乏も新生児メレナなどの出血性疾患を引き起こす.
×(2) 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は,血小板に対する自己抗体により血小板が破壊されて起こる疾患であり,主に皮膚・粘膜の出血がみられる.骨髄の低形成がみられるのは,再生不良性貧血である.
◯(3) 文章通り.鉄欠乏性貧血では,血清フェリチン値(貯蔵鉄)の低下に加えて,血清鉄低下,不飽和鉄結合能(UIBC)は増加がみられる.
×(4) 溶血性貧血では,血清ハプトグロビン値は低下する.また,乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)値増加,間接ビリルビン値上昇がみられる.
×(5) 再生不良性貧血には,先天性と後天性のものがある.後天性の再生不良性貧血は,原因不明である場合が大半であり,薬剤,化学物質,放射線などによっても起こる.葉酸欠乏により起きるのは,巨赤芽球性貧血である.
正解 : (3)