【解法の要点】
免疫・アレルギー疾患は,その疾患に特徴的な症状を覚えておこう.
【解説】
○⑴ 文章通り.強皮症では,食道が硬化し,蠕動運動が障害されることによって胃食道逆流症が起こる.
×⑵ 全身性エリテマトーデスは,皮膚,関節,腎臓など全身の臓器に炎症が起こる膠原病で,女性に多い.一般に膠原病は女性に多く見られる疾患である.
×⑶ 蝶形紅斑がみられるのは,全身性エリテマトーデスである.関節リウマチは,免疫の異常により関節の滑膜に炎症が起こる膠原病で,関節炎や関節の変形がみられる.
×⑷ シェーグレン症候群は,涙腺や唾液腺などの外分泌腺が障害される自己免疫疾患で,涙液や唾液の分泌は減少する.
×⑸ 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは,IgE依存性に発症する食物アレルギーの一種で,原因食物は,小麦と甲殻類が多い.
正解 : (1)
【解法の要点】
免疫・アレルギー疾患については,これまでも特定の疾患の基本的な内容しか問われていないので,本書でまとめている基本事項の内容を確実に覚えておこう.
【解説】
×⑴ 急性糸球体腎炎は,主にA群β溶連菌感染による咽頭炎の後に発症する,Ⅲ型アレルギーにより起こる疾患である.主な症候として蛋白尿,血尿,高血圧などがみられる.
×⑵ 強皮症は,皮膚や消化管などの線維化を起こす自己免疫疾患であり,主な症候として仮面様顔貌や嚥下障害,レイノー現象などがみられる.蝶形紅斑は,全身性エリテマトーデス(SLE)の特徴的な症候である.
○⑶ 正しい組合せ.シェーグレン症候群では,唾液分泌低下により,う歯や口内炎が起こりやすくなる.
×⑷ バセドウ病は,甲状腺刺激ホルモン受容体に対する自己抗体により発症する自己免疫疾患である.甲状腺機能亢進症であるため,代謝亢進により体重減少がみられる.なお,甲状腺機能低下症を合併する橋本病では,代謝低下による体重増加がみられる.
×⑸ 橋本病は,甲状腺の自己抗体により発症する自己免疫疾患である.甲状腺機能低下症を合併した場合には,眼瞼浮腫や無関心様表情などがみられる.眼球突出は,バセドウ病の特徴的な症候である.
正解 : (3)