【解法の要点】
感染経路に関する基本的な問題である.過去問を参考に,感染症とその感染経路についてまとめておこう.
【解説】
○⑴ 空気感染する感染症は,結核の他に麻疹や水痘などがある.〕
○⑵ 水系感染とは,病原微生物に汚染された水を摂取することで起こる感染である.水系感染により起こる感染症には,コレラの他に,赤痢, 腸チフス,A型肝炎などがある.
○⑶ アニサキスはイカの他,ニシン,サバ,アジなどの魚介類に寄生しており,それらを生食することで,アニサキスが胃や腸の壁に刺入して, アニサキス症を引き起こす.
○⑷ 垂直感染は,母親から胎児あるいは新生児に感染することをいう.垂直感染により起こる感染症には,風疹の他に,B型肝炎やHIV感染症などがある.
×⑸ C型肝炎は,血液感染である.なお,肝炎ウイルスの中で,B型,C型,D型は血液感染し,A型とE型は経口感染である.
正解 : (5)
【解法の要点】
今回を含め,感染症の選択肢は,ほとんどが過去に出題されている内容である.過去問を解いておくことが一番の対策である.
【解説】
×⑴ ニューモシスチス肺炎は,真菌による感染症である.HIV感染者や免疫抑制剤の治療を受けている人などで起こる日和見感染のひとつである.
×⑵ ツツガムシ病はリケッチアによる感染症で,ダニの一種であるツツガムシに吸着されることで感染し,免疫機能が低下していない人でも起こるため日和見感染症ではない.
×⑶ 再興感染症とは,すでに認知されていた感染症ではあるものの,過去に公衆衛生上問題となるほど流行しなかったものや,一旦は下火になったが近年再び出現,増加している感染症である.これに対し,新興感染症とは,最近,新たに発見された感染病原体,あるいは,かつては不明だった病原体により起こり,地域的あるいは国際的に公衆衛生上問題となっている感染症である.
×⑷ 不顕性感染とは,病原体が宿主に感染しても症候の出現しないものをいう.反対に,病原体が体内で増えて症候が現れる感染を顕性感染という.
◯⑸ 文章通り.垂直感染は,胎児が母体の子宮内で感染する経胎盤感染,分娩時に胎児が産道を通過するときに感染する経産道感染,母乳を介して母から子へ感染する経母乳感染に分類される.
正解 : (5)