【解法の要点】
牛乳に関して広く基礎的知識を問う問題は頻出である.日頃の食生活とも関連付けて理解しておこう.
【解説】
×⑴ 牛乳に含まれる主な糖質は,ラクトース(乳糖)である.ラクトースは乳に特有な二糖類であり,ガラクトースとグルコースで構成される.なお,マンノースは,こんにゃくいもの主成分であるグルコマンナンの構成糖の1つである.
×⑵ 牛乳に含まれる主な脂質は,トリグリセリドである.その他,ジアシルグリセロール,リン脂質などの脂質を含む.
○⑶ 文章通り.牛乳には炭素数8~12の中鎖脂肪酸が含まれる.具体的にはカプリル酸(炭素数8),カプリン酸(炭素数10),ラウリン酸(炭素数12)などである.ちなみに,牛乳には酪酸(炭素数4)などの短鎖脂肪酸が含まれていることも特徴といえる.
×⑷ 牛乳に含まれるたんぱく質で,加熱で変性するのはα-ラクトアルブミンとβ-ラクトグロブリンである.カゼインは二次構造や三次構造などの立体構造が少なく,熱に安定であるため,100 ℃以下の加熱ではほとんど変化しない.
×⑸ LL牛乳(ロングライフミルク)は,120~150℃で2~3秒間加熱する超高温瞬間殺菌法で殺菌される.滅菌に近い状態となるため,常温で長期保存が可能である.
正解 : (3)
【解法の要点】
鶏卵の成分についての基礎知識が問われている.卵白と卵黄それぞれの成分について整理しておこう.また,鮮度判定の方法もあわせて理解しておこう.
【解説】
×(1) 全卵たんぱく質のアミノ酸スコアは100である.したがって卵は,良質なたんぱく質を含有する食品である.
×(2) オボアルブミンは,卵白の主要たんぱく質である.卵黄の主要たんぱく質は,LDLなどのリポたんぱく質である.
×(3) リゾチームは,卵白に含まれるたんぱく質であり,溶菌作用をもつため卵の保存性に役立つ.
×(4) 卵黄係数は,「卵黄の高さ(mm)÷直径(mm)」で算出される鮮度の指標である.鮮度が低下すると卵黄は平たくなるため,卵黄係数は低くなる.なお,卵白係数は,「濃厚卵白の高さ(mm)÷直径(mm)」で算出される指標であり,卵黄係数と同様に,鮮度が低下すると低くなる.
◯(5) 文章通り.レシチンは,ホスファチジルコリンともいい,卵黄や大豆に多く含まれるグリセロリン脂質である.
正解 : (5)