【解法の要点】
食品の嗜好性の評価は,ヒトを対象として行う官能評価と,食品そのもののテクスチャーや化学的成分を機器によって測定する方法の両面から総合的になされる.今回出題された測定機器は,いずれも嗜好性評価に関わる代表的な機器であるため,教科書などで十分に理解しておこう.
【解説】
◯(1) 正しい組合せ.破断測定機とは,食品を変形するのに必要な力の1つとして,かたさを測定する機器である.なお,食品のかたさはテクスチュロメーターでも測定することができる.
◯(2) 正しい組合せ.テクスチュロメーターとは,食品を圧縮することでかたさ,凝集性,付着性などの物性を測定する機器である.
◯(3) 正しい組合せ.pHメーターは,電気的に溶液のpHを測定する機器であり,酸味の測定に用いることができる.正確・精密な測定にはガラス電極pHメーターを用いるが,簡便式な小型pHメーターもある.
◯(4) 正しい組合せ.ガスクロマトグラフは,食品に含まれる香気成分などの微量成分を水蒸気蒸留して分離,抽出することで,その成分を定性・定量する機器である.
×(5) 食品の色の評価には,色の明度や彩度を数量で表し,試料間の色の差を測定する測色色差計が用いられる.なお,示差屈折計は,溶液の屈折率が物質の濃度によって変化することを利用して,主に果物などの糖度の測定に用いられる機器である.
正解 : (5)