【解法の要点】
胃酸分泌に関わるホルモンについては頻出である.しっかり確認しておこう.
【解説】
×(1) 主細胞でつくられるのは,ペプシノーゲンである.胃酸は,壁細胞でつくられる.
◯(2) 文章通り.3価の鉄は,胃酸やビタミンCなどで還元されて吸収される.そのため,胃酸分泌が低下すると,鉄の吸収は低下する.
×(3) 迷走神経は副交感神経を含むため,その興奮は,胃酸の分泌を促進する.反対に,胃酸分泌は,交感神経の興奮で抑制される.
×(4) ヒスタミンは,ガストリンにより分泌され,胃壁細胞のH2受容体に結合することで,胃酸の分泌を促進する.
×(5) セクレチンは,胃酸分泌を抑制する.なお,胃酸分泌を促進するのはガストリン,アセチルコリン,ヒスタミンである.
正解 : (2)
【解法の要点】
消化管ホルモンのはたらきに関する基本的な問題である.脳相・胃相・腸相と消化管ホルモン分泌の関係を理解しておこう.
【解説】
×(1) ガストリンの分泌は,胃に食塊が入ると促進される.ガストリンの分泌により,胃酸の分泌が促進される.
×(2) ガストリンの分泌は,セクレチンによって抑制される.セクレチンによって分泌が促進されるのは膵液である.
×(3) セクレチンは,アルカリ性の膵液分泌を促すことで酸性の胃酸を中和する.そのため,十二指腸に胃酸が流入してH⁺濃度が上昇すると,セクレチンの分泌が促進される.
◯(4) 文章通り.コレシストキニンの分泌は,食物中のペプチドやアミノ酸のほか,脂質,糖質によっても促進される.
×(5) 膵臓からのHCO3⁻の分泌は,セクレチンによって促進される.コレシストキニンは,胆嚢の収縮を介して膵酵素の分泌を促進する.
正解 : (4)