【解法の要点】
基礎代謝量の測定法や影響要因は頻出である.しっかり理解しておこう.
【解説】
×(1) 基礎代謝量は,早朝空腹時に快適な室温下で,安静仰臥位で測定する.
×(2) 基礎代謝量は,一般的に,男性に比べて女性で低い.これは,女性の方が男性よりも体格が小さく,体脂肪率が高いためとされる.
×(3) 基礎代謝量は,環境温度に影響される.たとえば,低温環境下では体温を一定に保つための熱産生が増えるため,高温環境下よりも基礎代謝量が高くなる.
×(4) 低栄養状態では,体全体の代謝活性が低下するため,基礎代謝量は減少する.
◯(5) 文章通り.基礎代謝量は,アドレナリンにより増大する.これは,アドレナリンに心拍,血圧,血糖値を上げるはたらきがあるためである.
正解 : (5)
【解法の要点】
基礎代謝量,安静時代謝量,食事誘発性熱産生(DIT)の意味や影響要因を理解しておこう.メッツ(METs)や身体活動レベル(PAL)が何に対する倍数で表される指標なのかについても出題されやすいのでおさえておこう.
【解説】
×⑴ 基礎代謝量は,除脂肪体重に相関する.体脂肪が基礎代謝量に及ぼす影響は小さい.
◯⑵ 文章通り.安静時代謝量は覚醒座位状態での安静時の代謝量であり,基礎代謝量〔早朝空腹時に覚醒仰臥位(仰向け寝状態)で測定〕よりも骨格筋緊張度が高く,また食事による食事誘発性熱産生の影響も受ける.安静時代謝量は,基礎代謝量より約10%高い.
×⑶ メッツ(METs)とは,安静時のエネルギー消費量(安静時代謝量)を1としたときに,身体活動時のエネルギー消費量が何倍にあたるかを数値で示したものである.身体活動の種類(歩く,走るなど)ごとのエネルギー消費量を示す指標である.
×⑷ 身体活動レベル(PAL)は,1日の総エネルギー消費量が基礎代謝量の何倍にあたるかを数値で示したものである.「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では,PAL をI(低い),Ⅱ(ふつう),Ⅲ(高い)の3区分とし,年齢区分ごとの数値を設定している.
×⑸ 食後はエネルギー消費が亢進する.これを食事誘発性熱産生(DIT)といい,1日のエネルギー消費量に含まれる.DITの値は,摂取する栄養素の種類によって異なり,糖質や脂質に比べ,たんぱく質摂取後に最も大きい.
正解 : (2)