【解法の要点】
「学校保健統計調査」に基づいた,肥満傾向児や痩身傾向児,う歯を有する者の出現頻度は重要なので記憶しておこう.また,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で改定された部分は出題されやすいので,どの部分がどのように改定されたのか理解しておこう.
【解説】
×⑴ 過去10年間の「学校保健統計調査」では, 肥満傾向児は小学生では年齢が上がるほど増加している.令和元(2019)年度の肥満傾向児の出現頻度は,6歳で約5 %なのに対して,11歳で約10 %である.なお,肥満度が+20 %以上の児童生徒を肥満傾向児呼ぶ.
×⑵ 過去10年間の「学校保健統計調査」では,う歯を有する小学生の割合は,平成以降一貫して減少している.幼稚園生や中学生,高校生も同様である.
×⑶ カウプ指数もBMIもこれらを用いた肥満判定基準は男女別には設定されていない.なお,カウプ指数は体重を身長の二乗で除した指数であり,成人のBMIと同様に体重と身長のバランスや栄養状態を評価する指標である.
◯⑷ 文章通り.「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では,小児の飽和脂肪酸のDG(目標量)が新たに加えられ,3歳から17歳は10 %以下とされている.成長中なので成人の目標量の7 %エネルギー以下より高い値になっている.
×⑸ 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では,カルシウムのRDA(推奨量)が最も多い年齢は,男女ともに12 〜 14歳である.これは,体内のカルシウム蓄積速度および蓄積量が,12〜14歳に最大となるためである.
正解 : (4)
【解法の要点】
幼児期の特徴や栄養上の注意点に関する問題である.幼児期は乳児期に比べ,発育速度はやや緩慢になるが,精神発達の著しい時期なので,正しい食習慣を身につけることが大切である.
【解説】
×⑴ 受精後から幼児期までの1 年間の体重増加量や身長増加量は,胎児期に最も大きく,次いで新生児期,乳児期に大きい.乳児期後半から幼児期にかけては,成長速度は減速する.
×⑵ 一般的に,体脂肪率は,乳児期が最も高い.乳児期から幼児期への移行に伴い,運動量が増加し,体脂肪率は低下してスリムな体型になる.
×⑶ カウプ指数による肥満の判定基準は,年齢(月齢)で異なるが,男女差はない.
○⑷ 文章通り.乳幼児期,学童期,思春期を通して,貧血の主な原因は鉄欠乏である.
×⑸ 幼児期の間食は,1日の総エネルギー摂取量の10~20%前後が望ましい.
正解 : (4)
【解法の要点】
乳幼児の生理的特徴や,改正された「授乳・離乳の支援ガイド」の内容は頻出なので,確認しておこう.
この問題は出題当初の情報を元に解説が書かれています.最新の情報を「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で確認しましょう
【解説】
×⑴ 離乳の完了は生後12 ~ 18か月ごろ,咀嚼機能の完了は乳歯が20本生えそろう3歳ごろである.
×⑵ 一般的に,幼児期に限らずどのライフステージにおいても,間食を好きなだけ摂取することは勧められていない.
○⑶ 体が小さいほど,基礎代謝基準値は大きい(乳児>幼児>学童期).
×⑷ 学童期の肥満は,成人肥満に移行しやすい.
×⑸ 学童期含む,1歳から49歳におけるたんぱく質の目標量は,13-20% Eである.
正解 : (3)