【解法の要点】
環境目標とは,行動目標を達成するための食環境や,物的・人的支援,社会的支援などの環境づくりに関する目標である.なお,本問の結果目標は「1年生が正しく箸を使えるようになること」であることを念頭に各選択肢を見ると解きやすい.
【解説】
◯(1) 箸のサイズの種類を増やすことは,より自分に適した大きさの箸を使えるようになることで,正しく箸を使う練習がしやすくなることをねらいとした環境目標にあたり,正しい.
×(2),(5) 「児童が自宅でも正しく箸を使う」という目標は,結果目標を達成するために必要な具体的な目標であるため,行動目標にあたり,誤り.
×(3) 地場産物を活用した献立を増やすことは,「正しく箸を使えるようになる」という結果目標には直結しないため,誤り.なお,結果目標が「地産地消を推進する」などであった場合には,環境目標として正しい.
◯(4) 上級生が1年生に箸の持ち方を教えることは,教育の機会を整えることをねらいとした環境目標にあたり,正しい.
×(5) 「児童が,箸の使い方のマナーを知る」という目標は,結果目標を達成するために必要な態度を得るための目標であるため,学習目標にあたり,誤り.
正解 : (1),(4)
【解法の要点】
栄養教育プログラムにおける各種目標の基本的理解を問う問題である.具体例とともに覚えよう.
【解説】
×⑴ 家庭で離乳食を調理することは,結果目標を達成するために必要な行動であるため,行動目標にあたる.実施目標はプログラム実施に関する目標である.
○⑵ 正しい組み合わせ.離乳食の調理といったスキル,また知識や態度を得るための目標は,学習目標にあたる.
×⑶,⑷ 教室実施や学習内容についての具体的な目標は,実施目標にあたる.行動目標は行動にかかわる目標(いつ,どこで,どのような行動を,どのように行うか)のことであり,環境目標は行動目標を達成するために必要な,食環境,周囲の支援または社会環境を整えるための目標である.
×⑸ 家族など対象者を取り巻く環境についての目標は,環境目標にあたる.結果目標は教育の成果として得られる最終的な目標である.
正解 : (2)
【解法の要点】
栄養教育プログラムにおける各種目標の基本的理解を問う問題である.結果目標とは,プログラムを実施することで最終的に達成したい目標である.本問の対象者は「体重を減らしたい」と話していることがポイントである.
【解説】
×⑴ 「体重を減らしたい」という結果目標に対して体重のセルフモニタリングをするために体重計の有無は重要だが,主体的に取り組む態度を把握しておらず誤り.これは自身の体重をセルフモニタリングするという行動目標を設定する際に必要なアセスメント内容である.
〇⑵ 具体的な目標体重の設定を本人が行うことは,主体的に取り組む態度を把握するアセスメント内容であり,結果目標を設定する際に最も重要である.
×⑶,⑷ 食事時間や身体活動量の把握は減量のための具体的な行動目標の設定のためのアセスメント内容にあたる.
正解 : (2)