【解法の要点】
栄養教育マネジメントにおける評価についての問題は,ほぼ毎年出題される頻出事項である.落としたくない問題なので十分復習しておこう.
【解説】
◯(1) 学習者の準備性を把握することは,対象集団の適切なアセスメントが必要であり,栄養教育の計画を立案するうえでの評価(企画評価)に必要な項目である.
×(2) 訪問栄養指導の実施内容の理解度を確認しており,参加者の学習状況を確認する経過評価にあたる.
×(3) 本問の栄養指導では低栄養改善を目的として実施されており,低栄養の改善度合いの確認は,結果目標の達成に関する内容である.
×(4) 学習者の調理技術の現状を把握し,何に活かすかが不明確だが,たとえばプログラムの企画に活かすことはできるかもしれない.その場合は企画評価にあたる.
×(5) 学習者の食費の現状を把握する内容である.たとえば,この情報を企画に活かすことはできるかもしれない.その場合は企画評価にあたる.なお,経済評価はプログラムの実施にかかった費用と,得られた効果についての評価であり,対象集団の食費とは関係がない.
正解 : (1)
【解法の要点】
栄養教育における評価についての出題は頻出であり,確実に得点したいので,十分に内容を理解しておこう.本問題において,地域ぐるみで子どもの健全な発育と発達を達成することが最終的な目的であることがポイントである.
【解説】
×⑴,⑵ 離乳食教室を実施している過程で対象集団の特徴を把握することは,次の教育(学習)活動に反映させるための評価であり,形成的評価にあたる.
×⑶ 対象者の数や対象者のニーズを把握することは,企画評価にあたる.
×⑷ 順調に発育している児の割合を把握することは,本問の目的の達成度合いを評価することになるため,結果評価にあたる.
○⑸ 正しい組合せ.教室に参加することでネットワークが構築されたかを把握することは,対象者の比較的短期間での行動変化を評価することになるため,影響評価にあたる.
正解 : (5)
【解法の要点】
栄養教育における評価についてはほぼ毎年出題されており,確実に得点したいので,十分に内容を理解しておこう.なお,本文における結果目標が明らかにされていないが,一般的に訪問栄養食事指導では,主観的な健康度,QOLを含めた健康状態全般の維持向上を目指すと考えられる.
【解説】
×⑴ 指導依頼が何件あるかは,訪問栄養食事指導事業の実施状況や利用率を評価しているため実施目標に対する「経過評価」にあたる.
〇⑵ 訪問栄養指導の対象(患者,家族)の満足度によって,結果目標を実現するための行動を起こせるかという準備状況の推察ができる.「経過評価」として正しい.
×⑶ 本問は目的(結果目標)が示されていないが,「 1年分の栄養診断結果」は,対象者の健康状態の変化を把握する結果評価と考えられる.この結果をもとに事業のニーズを再分析することで企画そのものを評価していることから,企画から結果に至るまでの「総合評価」に近いと考えられる.
×⑷ 記述は,事業収入に対して管理栄養士の人件費を検討するための分析であるため,影響評価ではなく「経過評価」にあたる.
×⑸ 栄養診断結果(健康・栄養状態)の改善が事業の目的だとすると,初回訪問時と最終訪問時の体重の変化は健康・栄養状態の「結果評価」の指標と考えられる.ただし加齢とともに体重減少が避けられない場合もあるので,実際には体重変化率のほかに,主観的な健康度やQOLを含めて総合的に評価することが望ましい.
正解 : (2)