【解法の要点】
公衆栄養の特徴について問う問題は頻出である.確実に得点したい内容なので,十分復習しておこう.
【解説】
◯(1) 「フードセキュリティ」は,直訳すると「食料安全保障」であり,「予想できない要因によって食料の供給が影響を受けるような場合のために,食料供給を確保するための対策(農林水産省)」と定義される.食料自給率の向上など,公衆栄養が貢献できる課題といえる.
◯(2) 公衆栄養分野では,地域住民のエンパワメントは,重要なことである.
◯(3) 地域の特性や社会資源を利用して,地域全体の健康増進を図る.
◯(4) 文章通り.国の代表的な公衆栄養の施策である「健康日本21(第二次)」においても,健康格差の縮小は目標に掲げられており,縮小に向けた取り組みを行っている.
×(5) 公衆栄養分野の目標の中心は1次予防(健康増進・疾病発症の予防)であり,2次予防(早期発見・早期治療),3次予防(後遺症治療,再発防止,機能回復など)も含む.
正解 : (5)
【解法の要点】
「公衆栄養」の意義,目的についての問題である.公衆栄養活動とは,主に地域住民・職域などの集団の健康増進を目的とした予防医学的な活動である.「公衆栄養活動」について基本的な理論と展開を理解しておく必要がある.
【解説】
○⑴ 生活習慣病の重症化予防は,早期発見・早期治療を促して病が重症化しないように行われる二次予防である.健康診断なども二次予防として公衆栄養活動に含まれる.
×⑵ 公衆栄養活動は,すべての段階の疾病予防を担うため,医療機関で栄養管理がなされている患者も,公衆栄養活動の対象となる.
○⑶ 公衆栄養活動では,ヘルスプロモーションの考え方が重視される.個人の健康づくりを支援するための環境の整備,個人技術の強化,地域活動の強化,公共政策づくりなども重要な活動となる.
○⑷ 公衆栄養活動は,すべての段階の疾病予防を担うが,なかでも疾病の発症を防ぐ一次予防が重視される.そのため,集団を対象としたポピュレーションアプローチを重視して,生活習慣病予備軍をハイリスク群に移行させないようにする.
○⑸ 公衆栄養活動は,行政が主体の活動ではなく,各職域や地域社会の人々が活動の主体となる.よって住民の参加が重要である.
正解 : (2)