【解法の要点】
公衆栄養活動の進め方についての問題である.PDCAサイクルなどの理論,社会資源の活用や領域を超えた連携,住民参加の重要性について,理解しておこう.
【解説】
○⑴ 文章通り.公衆栄養活動は,PDCAサイクルに基づき推進する.
○⑵ 文章通り.公衆栄養活動において住民のニーズを把握するためには,自治会などの地域のコミュニティを活用し,住民の声をできるだけ集める必要がある.
○⑶ 文章通り.公衆栄養活動を効果的に推進するために,地域住民は,さまざまな分野の機関や専門家,行政と連携する必要がある.
×⑷ 公衆栄養活動への住民の参加は,事業評価段階からではなく,事業初期の計画段階から行う.住民の声が企画内容に反映されるように,公衆栄養活動事業を計画することが,重要である.
○⑸ 文章通り.公衆栄養活動において,行政栄養士は,公衆栄養活動を推進したり,住民の課題を客観的な視点から判断し,課題解決に向けた情報提供を行ったりするだけでなく,解決の糸口となる関係機関との連携や調整も行う.
正解 : (4)
【解法の要点】
公衆栄養プログラムの計画・実施において,対象者や地域の課題把握,社会資源の活用,連携などの重要性を理解しておこう.また,公衆栄養プログラムの実 施中,実施後の評価方法も整理しておこう.
【解説】
○⑴ 文章通り.公衆栄養マネジメントは,対象者や地域の特性にあわせて実施することが大切である.
○⑵ 文章通り.計画策定のアプローチには,大きく分けて「課題解決型」と「目的設定型」がある.課題解決型アプローチでは,目標設定は専門家が主導で行い,目標達成に向けて住民の参加を求める.一方で,目的設定型アプローチでは,目標設定から住民と専門家がともに協議する.
○⑶ 文章通り.計画策定時には,目標達成に必要な社会資源(人・物・資金など)を確保する必要がある.
○⑷ 文章通り.マネジメントサイクルの各段階において,しかるべき評価を行う必要がある.たとえば,企画評価や経過評価,影響評価,結果評価などがある .
×⑸ 誤り.目標で取り上げなかった項目であっても,評価の対象とみなしてよい.ただし,プログラムの前後で比較できない場合がある.
正解 : (5)
【解法の要点】
公衆栄養マネジメントは,対象集団の栄養改善を目的とした公衆栄養活動において,計画・実践・評価・改善の一連の流れの方向性を含めて調整し,事業の運営を管理する役割を担う.公衆栄養マネジメントを,理論に基づき展開するための知識を問う問題である.
【解説】
◯⑴ 公衆栄養マネジメントは,PDCAサイクル(Plan:計画,Do:実施,Check:評価,Act:改善)に沿って理論的に展開する.
×⑵ 対象集団(地域・職域 等)が,主体となり栄養課題を解決へ向けて展開することが,望ましい.たとえ活動計画の策定段階であっても,対象集団(住民)の参加は求められる.
○⑶ 集団に対する栄養アセスメントは,費用も時間も労力も負担が大きいため,まずは既存資料を有効に活用して効率的・合理的にアセスメントを行う.
○⑷ 公衆栄養マネジメントの目標値は,理想値とは異なり,改善に向けて達成の可能性が見込める数値である必要がある.
○⑸ 経済的に投入資源に見合う効果があるのかを検討することは,経済評価にあたる.公衆栄養プログラムの評価は,ほかにも,企画評価,経過評価,影響評価,結果評価など各段階において実施される.
正解 : (2)