【解法の要点】
水道水の水質基準項目は51項目ある.過去に出題があった項目と,検出されないこととされる項目については最低限おさえておきたい.
【解説】
×⑴ 一般細菌は,1mLの検水で形成される集落数が100以下と規定されている.
〇⑵ 正しい.大腸菌は,検出方法が簡単かつ明確であり,汚染指標として最も価値が高い.検出されないことが基準である.
×⑶ 水銀は,0.0005 mg/L以下と規定されている.
×⑷ 平成23(2011)年の東日本大震災に伴う原子力発電所事故により,平成24(2012)年4月に新しい基準が設定された.飲料水の基準値としては,10Bq/kgとなった.
×⑸ トリハロメタンは,0.1 mg/L以下と規定されている.
正解 : (2)
【解法の要点】
上水道の浄化法(普通沈殿と薬品凝集沈殿,消毒方法),水道水質基準(病原微生物と有害物質),汚水処理(活性汚泥法と散水濾床法)についての知識が必要であるが,細かい内容であるため国試で登場したものを解きながら覚えていくのが良いと思われる.
【解説】
×⑴ 急速ろ過法では,原水に凝集剤を加えて濁りを沈殿させ,その上澄みをろ過する方法である.この方法は,ろ過効率が高く,濁りの多い水の処理に適しているため,現在最も広く用いられている.
×⑵ 「水道法」に基づいて定められた水質基準では,給水栓における水が遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持するように塩素消毒することが規定されている.
×⑶ 「水道法」に基づいて定められた水質基準では,一般細菌は100CFU/mL以下とされている.なお,水質基準項目のうち,「検出されないこと」を基準とするのは大腸菌のみである.
×⑷ 活性汚泥法は,好気性菌を大量に含む活性汚泥を汚水に加えることで,好気性菌により汚水中の有機物を分解し,汚水を処理する方法である.
○⑸ 文章通り.生物化学的酸素要求量(BOD)は,水中の有機物が,好気性菌によって安定な形にまで酸化分解されるのに必要な酸素量である.そのため,この値が高いほど水中の有機物が多い,つまり汚染は高度である.
正解 : (5)
【解法の要点】
水質に関する基準は,上水道の指標(飲料水)と水質汚濁に関する指標(河川,湖沼の水)の2種類に大別できる.2つを混同しないように気をつけること.過去問を中心に勉強し,上水道の頻出指標項目の意味を理解しておこう.
【解説】
×⑴ 末端の給水栓(各家庭の水道の蛇口)には,消毒に用いた遊離残留塩素を「0.1 mg/L以上」保持するよう定められている.
×⑵ 上水道の基準項目ではない.水質汚濁に関する指標のひとつである.
〇⑶ 文章通り.
×⑷ 正しい基準値は「0.1 mg/L以下」.「検出されないこと」は大腸菌である.
×⑸ 水道水の水質基準項目には,臭気が3種類ある.その中のひとつである水道水の基礎的性状からみた臭気は,官能法により評価され,「異常でないこと」が基準値である.臭気に関わる基準値としてほかに,工場排水の混入等による臭気はフェノール類,湖沼の富栄養化が原因のカビ臭はジェオスミン,2−メチルイソボルネオールが設定されている.
正解 : (3)