【解法の要点】
平均寿命や平均余命などの保健統計は定義と最新の統計値をしっかり確認しておこう.
【解説】
×⑴ 平均寿命は,0歳時点から平均して何年生きられるかを示すもの(0歳児の平均余命のこと)である.
×⑵ 平均余命は,ある年齢の者が平均であと何年生きるかを示す期待値であり,生命表を用いて計算される.過去の統計をもとにした実測値ではない.
×⑶ 健康寿命は,日常生活に制限のない期間の平均をいう.性別,年齢調整死亡率に加え,健康でない期間を用いて算出される.人口動態統計には健康でない期間に関する情報がなく,「国民生活基礎調査」を用いる方法や「要介護認定」を用いる方法などがある.
×⑷ 平均寿命は,健康寿命と健康でない期間を足して算出される.そのため,平均寿命が短くなったとしても,健康でない期間がさらに短くなれば,健康寿命は延伸する.このように平均寿命が短縮または延伸しても,健康寿命に必ずしも影響するものではない.
◯⑸ 文章通り.死亡数の死因順位別第一位は悪性新生物である.また,昭和56(1981)年以降,悪性新生物の死因順位は第一位として変わらず,さらに件数は一貫して上昇している.悪性新生物の死亡がなくなれば,そのぶんの平均寿命は延びることが予測される.
正解 : (5)