【解法の要点】
スクリーニングについては,毎年のように出題がある重要事項である.スクリーニング検査を行う要件や有効性を示す指標については,特に頻出であるため,しっかり確認しておこう.
【解説】
×⑴ ROC曲線は,縦軸を敏感度,横軸を偽陽性率(1-特異度)として描く.
×⑵ 偽陽性率は,特異度を高くすれば低くなる.なお,敏感度を高くすると,偽陰性率が低くなる.
×⑶ 陽性反応的中度は,敏感度,特異度,有病率の3つの要素で決まるため,敏感度と特異度が一定であれば,有病率の高低の影響を受ける.敏感度と特異度が一定の場合,つまり同じスクリーニング検査を有病率の高い集団と有病率の低い集団に実施した場合,有病率が高い集団の方が,「間違って陽性になる確率(偽陽性率)」は低くなる.そのため,一般的に,有病率が高くなると陽性反応的中度は高くなる.以下に例を示す.<19005.png挿入>
○⑷ 文章通り.スクリーニング検査は,陽性反応的中度と陰性反応的中度の両方が高くなる条件が適している.有病率が高い集団では,一般的に陽性反応的中度や陰性反応的中度は高くなるため,スクリーニング検査に適している.
×⑸ スクリーニングは,疾病の有無の可能性を迅速にふるい分けることが目的であり,疾病の診断を目的とはしていない.なお,スクリーニング検査で陽性の場合には,精密検査で確定診断を行う.
正解 : (4)