【解法の要点】
労働衛生の3管理に関する出題である.一般的に,「作業管理」は作業そのものの管理,「作業環境管理」は有害環境の除去,「健康管理」は健康診断と事後措置についての管理である.
【解説】
×⑴ 作業姿勢を管理することは,腰痛という健康障害の予防となるため,作業管理にあたる.
×⑵ 作業時間制限による曝露時間の管理は,熱中症という健康障害を予防することになるため,作業管理にあたる.
×⑶ 長時間労働者に対する産業医の面談は,長時間労働による障害の予防となるため,健康管理にあたる.
〇⑷ 文章通り.耳栓の使用は,騒音曝露から保護し,難聴という障害の予防となるため,作業管理にあたる.
×⑸ 生産工程の変更は,有害業務による障害発生を抑制することとなるため, 作業環境管理にあたる.
正解 : (4)
【解法の要点】
労働衛生は3つまたは5つの基本要素から成り立つ.労働衛生の要素は,意味や目的を把握したとしても作業管理と作業環境管理との区別が難しいため,具体例をいくつか覚えておくのもよい.
【解説】
×⑴ 産業医の選任は,労働者の健康状態を把握し健康障害の防止となるため労働衛生の3管理における健康管理に含まれる.常時使用する労働者が50人以上の事業場の事業者は,産業医を選任しなければならない(「労働安全衛生法」 13条,同令5条 等).なお労働衛生の5管理としては,産業医の選任自体は 統括管理に含まれる.
×⑵ 耳栓の使用は,騒音曝露から労働者を保護し,難聴の予防となるため,作業管理にあたる.(「労働安全衛生法」22条)
×⑶ 給食従事者の検便は,健康管理である.事業者は,附属する食堂などの給食の業務に従事する労働者に対して,雇入れの際または給食業務に配置換えの際に,検便による健康診断を行わなければならない(「労働安全衛生法」 66条1項,則47条).
○⑷ 生産設備の自動化は,作業環境を改善するための措置であるため,作業環境管理である.
×⑸ 適正部署への配置転換は,職業性疾病の予防を図るものであるため,健康管理にあたる.
正解 : (4)