【解法の要点】
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は,高齢者の増加により患者数が増加することが見込まれている.この疾患は栄養状態が予後にかかわるので,病気の特徴については頻出問題である.
【解説】
×⑴ 日本では500万人以上のCOPD患者がいると推定されているが,男性患者数は女性患者の約2.5倍である.男性に多い理由のひとつに,男性の方が女性よりも喫煙率が高いことが関係あると考えられている.
×⑵ COPDは呼気時の気道閉塞があるため,息を吐きづらくなり自然と口すぼめ呼吸を行っていることがある.また,口すぼめ呼吸による呼気では,気道内圧が高まり,気道が拡張することによって息を吐きやすくなるため,COPD の呼吸リハビリで口すぼめ呼吸を指導することもある.
○⑶ 文章通り.COPD では,呼気が肺に残り肺が膨張するため,肋骨が水平となり樽状胸郭となる.
×⑷ 息を吐き出しづらくなっているため,肺でのガス交換効率が低下している.このため,動脈血中の酸素分圧は低下する.
×⑸ 病期分類は,予測1秒率に対する比率(対標準1秒量:% FEV1)を用い,Ⅰ~Ⅳ期に分類される.COPD の診断には,1秒率を用いる.
正解 : (3)
【解法の要点】
高齢化が進むことでCOPD患者の増加が予測されているので,出題が多くなっていると考えられる.COPDの病態と栄養管理は理解しておこう.
【解説】
×⑴ COPD では気道閉塞により息を吐きにくくなるので,1秒率が低下する.
〇⑵ 呼気が肺に残り肺でのガス交換が低下するので,動脈血酸素分圧は低下する.
×⑶ 肺が膨張し,食道や胃を圧迫して食欲が低下する.摂取エネルギー量が減少し,体重減少を起こしやすい.
×⑷ 体たんぱく質の異化が亢進するので,摂取エネルギー量を増やす必要がある.
×⑸ 呼吸筋運動を維持するためのエネルギー消費が増大する.筋力低下を抑えるために,高たんぱく質食とする.
正解 : ⑵