【解法の要点】
新生児期および乳児期に関する生理的特徴に関する基礎問題である.新生児期にみられる特有現象である生理的体重減少や生理的黄疸,新生児期・乳児期を通じて,生理的機能(身長,体重,消化器,呼吸器,腎臓,循環器,免疫系 等)の成長・発達は頻出問題であるため,理解しておく必要がある.
【解説】
○⑴ 文章通り.生理的体重減少は,生後3 ~ 4日間に150 ~ 300 g体重が減少する現象である.これは,皮膚および肺からの水分損失,胎便,尿の排泄などを補うための水分摂取量が十分でないことによる.なお,生後7 ~ 14日で出生時の体重に戻る.
×⑵ 生理的黄疸は,生後2 ~ 3日ごろに現れる.これは,生後,急激に体内で赤血球が壊れ,ヘムに由来するビリルビンの生産量が多くなる.処理能力が未熟なため血中濃度が高くなることが原因とされている.なお,生理的黄疸は,1週間か10日で消える.
×⑶ 第一乳臼歯が生えるのは,生後1歳ごろである.生後5 ~ 6か月ごろに生えてくるのは乳中切歯である.
×⑷ 新生児期の糸球体濾過量は成人の20%程度ではじまり,2歳前に成人とほぼ同等となる.
×⑸ 生後6か月を含む乳児期の呼吸数は1分間あたり30 ~ 40回であるのに対し,成人の1分間あたりの呼吸数は16 ~ 18回である.
正解 : (1)