【解法の要点】
「授乳・離乳の支援ガイド」については,毎年出題されている.なお,2019年3月に改定された最新版についても学習しておこう.
【解説】
×⑴ 離乳の開始前に,果汁を与える栄養学的意義は認められていない.
〇⑵ 正しい.離乳は,母乳または育児用ミルクなどの乳汁栄養から幼児食に移行する過程であり,開始時にはなめらかにすりつぶした食物を与える.
×⑶ 離乳の開始後ほぼ1カ月間は,離乳食を1日1回与える.その後,離乳中期には1日2回,離乳後期には1日3回と進めていく.
×⑷ 離乳開始時は,調味料は必要ない.離乳の進行に応じて調味料を使用する場合にも,食品の持つ味を生かしながら,薄味で調理する.
×⑸ 母乳や育児用ミルクは,離乳の開始時には授乳のリズムに沿って子どもの欲するままに与える.離乳中期,後期では,母乳は原則子どもの欲するままに与える.育児用ミルクは,食事回数の増加,食事量の増加にあわせて,減らしていく.
正解 : (2)
【解法の要点】
離乳食の進め方は,「離乳・授乳の支援ガイド(2019年改定版)」でも詳しくとり上げられており,応用栄養学の最重要ポイントのひとつである.離乳食の進め方の目安は確実に覚えておこう.なお,本問は,問題文「生後7,8か月を目安に開始する離乳食」の記載を「7,8か月(離乳中期)からはじめるのに適当な離乳食」と解釈し,解説を執筆した.
【解説】
×⑴ 離乳初期に,果汁を与えることの栄養学的な意義はほとんどなくむしろ有害である.
×⑵ なめらかにすりつぶした状態のものは離乳初期に与える.はじめは最も軟らかい形態から開始し,舌でつぶせる固さ,歯茎でつぶせる固さと進めていく.
〇⑶ 生後7,8か月は離乳食中期にあたり,舌でつぶせる固さは,離乳中期に適した形態である.
×⑷ 離乳後期に適した形態である.
×⑸ 離乳完了期に適した形態である.
正解 : ⑶
【解法の要点】
新生児のビタミンK欠乏症による頭蓋内出血は,発症すれば死亡や重篤な後遺症を引き起こすため予防が大切である.各種ビタミンの欠乏症や過剰症についても整理しておこう.
【解説】
×⑴ ビタミンAの欠乏症状として夜盲症が有名である.そのほか,結膜乾燥症による失明や骨・神経系の発達障害,皮膚乾燥,免疫能低下が知られている.
○⑵ 正しい.ビタミンKが不足すると,ビタミンK依存性凝固因子活性が低下し,出血症状(新生児メレナ,頭蓋内出血)が出現する.そのため,すべての新生児にビタミンKの予防投与が行われている.
×⑶ ビタミンB₁ の欠乏症としては,脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などが知られている.
×⑷ ビタミンB₁₂ の欠乏症としては,悪性貧血などが知られている.
×⑸ ビタミンC の欠乏症としては,壊血病などが知られている.
正解 : (2)