【解法の要点】
更年期女性で見られるホルモン分泌およびそれに伴う代謝の変化等を問う基礎問題である.エストロゲンを中心に起こる生理的変化は頻出問題であるため,しっかりと理解しておこう.
【解説】
×⑴,⑵,⑶,⑷ 更年期女性では,閉経により卵胞が減少し,血中エストロゲン値は低下する.それによって,インスリン感受性の低下による耐糖能異常,骨吸収が促進されることによる骨密度低下,血中HDLコレステロール値の低下などの脂質異常症が起こりやすい.
◯⑸ 文章通り.更年期女性では,血中エストロゲン値は低下することで,ネガティブフィードバックが起こり,血中卵胞刺激ホルモン(FSH)値が上昇する.
正解 : (5)
【解法の要点】
更年期の女性における生理的特徴に関する問題は頻出である.特に,ホルモン分泌の変化やそれに伴う代謝の変化に関しての出題頻度は高いので,整理しておこう.
【解説】
×⑴ 閉経により卵胞が減少することでエストロゲン分泌が減少するため,ネガティブフィードバックが起こり,黄体形成ホルモン(LH)の分泌量は増加する.
〇⑵ ⑴と同様,エストロゲン分泌減少によるネガティブフィードバックにより,卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌は亢進する.
×⑶ エストロゲン分泌が低下することで,血管内皮細胞からの一酸化窒素の合成が減少し,血管抵抗性の増大につながる.
×⑷ エストロゲンには骨吸収抑制作用があるため,エストロゲン分泌の低下により,骨吸収が骨形成を上回り骨密度が低下する.
×⑸ エストロゲンには脂質代謝抑制作用があるため,エストロゲン分泌の低下により,血中LDL コレステロール値は上昇する.
正解 : ⑵