【解法の要点】
運動時の身体の変化やエネルギー代謝,生理的特徴などを理解しておこう.あわせて,有酸素運動と無酸素運動の違いについても確認しておこう.
【解説】
×⑴ 無酸素運動時には,解糖系によりエネルギーが供給され,嫌気的解糖が進むため,筋肉中の乳酸は増加する.
×⑵ 遊離脂肪酸は,長時間続く持久的運動である有酸素運動の主なエネルギー基質となる.
×⑶ 瞬発的運動では,早く収縮し,大きな力を瞬発的に発揮する速筋線維(白色線維)が主に利用される.
〇⑷ 文章通り.なお,酸素摂取量が,運動強度を高めるとともに増加し,最大酸素摂取量で頭打ちになることをレベリングオフという.
×⑸ 高強度の運動時には,主に骨格筋において,酸素や血液の需要が増大するため,血流量が増加する.その一方で,消化管の血流量は減少する.
正解 : (4)
【解法の要点】
運動時の身体の変化やエネルギー代謝,生理的特徴などに関する問題である.「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」分野における運動器の構造と機能についてもあわせて理解しておこう.
【解説】
×⑴ 骨格筋は,意識的に収縮させることが可能な随意筋であり,かつ横紋構造がみられる横紋筋である.なお,不随意筋は,心筋(横紋筋)と内臓筋(平滑筋)などがある.
×⑵ 遅筋線維(赤筋)は,酸化的リン酸化により好気的にATP を供給するため,ミトコンドリアは,速筋線維(白筋)よりも多い.
◯⑶ 文章通り.有酸素運動により,グルコースの細胞内への取り込みを促進し,インスリン抵抗性を改善させ,インスリン感受性を増加させる.
×⑷ 骨格筋の瞬発的な収縮には,クレアチンリン酸や嫌気的解糖により得られるエネルギーを必要としている.遊離脂肪酸は,持続的な運動である有酸素運動の主なエネルギー基質となる.
×⑸ 速筋線維(白筋)は瞬発的な運動に適しており,持久力は遅筋線維(赤筋)の方が優れている.
正解 : (3)