【解法の要点】
生体のストレス応答に関する事項は頻出問題である．生体防御機構の各期の特徴，さらにはストレス時の栄養ケアについて理解しておこう．
【解説】
×⑴，⑶ ストレス応答の抵抗期では，脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン（ACTH）により副腎皮質からグルココルチコイドの分泌が促進されるため，エネルギー代謝が上昇する．
〇⑵ 文章通り．ストレスによるエネルギー代謝亢進に伴い，体たんぱく質の異化が促進され，尿中窒素排泄量は増加する．したがって，窒素出納は負に傾く ．
×⑷ ストレス応答の抵抗期において分泌が増加する副腎皮質ホルモンやカテコールアミンの生成反応にはビタミンCが必須である．したがって，ビタミンCの需要は上昇する．
×⑸ ストレス応答の抵抗期において分泌が増加する副腎皮質ホルモンやカテコールアミンにより，カルシウムの尿中排泄量は増加する．
正解 : (2)
【解法の要点】
生体のストレス応答に関する事項は，頻出問題である．生体防御機構の時間経過に伴う3期（警告反応期，抵抗期，疲はい期）の特徴について理解しておこう．
【解説】
×⑴ ストレス応答の抵抗期では，交感神経が興奮し，エネルギー消費量が増加する．
×⑵，⑷ ストレス応答の抵抗期では，脳下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモン（ACTH）により，副腎皮質からグルココルチコイド（コルチゾール）が分泌され，体たんぱく質の異化が亢進し，糖新生を促進させる．
×⑶ ストレス応答の抵抗期では，副腎髄質からカテコールアミン（ノルアドレナリン，アドレナリンなど）が分泌され，ホルモン感受性リパーゼが活性化することで脂肪の分解を亢進し，遊離脂肪酸が増加する．
◯⑸ 文章通り．ストレス応答の抵抗期において分泌が増加するグルココルチコイドやカテコールアミンの生合成にビタミンCが必要であることから，ビタミンC の需要は増加する．
正解 : (5)