【解法の要点】
栄養教育プログラムにおける経済評価に関する問題である.評価の種類と分析方法について確認しておこう.
【解説】
×⑴~⑶,⑸ 選択肢⑷の解説を参照.
〇⑷ 費用効果とは,ある一定の効果を1単位として,そのために必要な費用を算出し,評価することである.本問では,30名中20名に効果があったため,1名あたりの費用効果は,総費用120,000円÷20名=6,000円となる.
正解 : (4)
【解法の要点】
栄養教育における評価についてはほぼ毎年出題されており,確実に得点したいので,十分に内容を理解しておこう.なお,本文における結果目標が明らかにされていないが,一般的に訪問栄養食事指導では,主観的な健康度,QOLを含めた健康状態全般の維持向上を目指すと考えられる.
【解説】
×⑴ 指導依頼が何件あるかは,訪問栄養食事指導事業の実施状況や利用率を評価しているため実施目標に対する「経過評価」にあたる.
〇⑵ 訪問栄養指導の対象(患者,家族)の満足度によって,結果目標を実現するための行動を起こせるかという準備状況の推察ができる.「経過評価」として正しい.
×⑶ 本問は目的(結果目標)が示されていないが,「 1年分の栄養診断結果」は,対象者の健康状態の変化を把握する結果評価と考えられる.この結果をもとに事業のニーズを再分析することで企画そのものを評価していることから,企画から結果に至るまでの「総合評価」に近いと考えられる.
×⑷ 記述は,事業収入に対して管理栄養士の人件費を検討するための分析であるため,影響評価ではなく「経過評価」にあたる.
×⑸ 栄養診断結果(健康・栄養状態)の改善が事業の目的だとすると,初回訪問時と最終訪問時の体重の変化は健康・栄養状態の「結果評価」の指標と考えられる.ただし加齢とともに体重減少が避けられない場合もあるので,実際には体重変化率のほかに,主観的な健康度やQOLを含めて総合的に評価することが望ましい.
正解 : (2)
【解法の要点】
栄養教育は,対象者の健康・栄養状態,QOLの向上を結果目標として行うが,学校や地域における食育では対象者を長期間追跡できないため,「朝食を毎日食べる児童を増やす」といった行動目標や「望ましい食習慣の形成」を最終的な目標とし,その評価を結果評価とする場合がある.
【解説】
〇⑴ 給食を残さず食べようと思う態度を評価しているので,学習目標に対する「影響評価」にあたり,正しい.
×⑵ 給食室から出たごみの内容を理解することは,学習目標に対する「影響評価」にあたる.なお,複数回実施される食育の途中で評価した場合,ごみの内容を理解することは給食を残すことの弊害を理解する学習の構成要素であるため,「形成的評価」となる.
×⑶ プログラムの最終的な目標の到達度指標として「給食を残さず食べる児童の割合」を評価していると考えられるので,「結果評価」にあたる.
×⑷ 残菜を減らす行動(おかわり)の変化を評価しており「影響評価」にあたる.
×⑸ 発言の正しさではなく「児童が興味をもって授業に積極的に参加しているか」を評価しているので「経過評価」にあたる.
正解 : ⑴