【解法の要点】
「国民健康・栄養調査」の調査方法や根拠法令については確実に覚えておこう. 調査項目や対象年齢は年によって変わる場合があるので,必ず最新の調査で確認しておこう.
【解説】
×⑴ 「国民健康・栄養調査」は,毎年実施される.
×⑵ 「国民健康・栄養調査」の調査員は,都道府県知事が任命する.
×⑶ 栄養摂取状況調査は,1日のみ実施する.しかし,本来,習慣的な摂取量を把握するためには,実施日を複数日設けるのが望ましい.
○⑷ 文章通り.「国民健康・栄養調査」の調査結果は,健康日本21(第二次) の評価に用いられる.
×⑸ 「国民健康・栄養調査」の対象は,「国民生活基礎調査」で設定された単位区から抽出された区内の世帯および世帯員である.その「国民生活基礎調査」の対象は,日本に常住する者を対象としている「国勢調査」の単位区から抽出された世帯および世帯員である.したがって,海外に居住する日本人は,「国民健康・栄養調査」の対象とならない.そもそも,海外に居住する日本人には,「国民健康・栄養調査」の調査項目を実施できないことからも判断することができる.
正解 : (4)
【解法の要点】
「国民健康・栄養調査」の調査事項や調査方法について確認しておこう.
【解説】
×⑴,⑵ 栄養摂取状況調査は,日曜日および祝祭日を除く11月の任意の1 日に実施する.ただし,訪問日は日曜日以外の場合もある.
×⑶ ゆでた場合など,調理後の成分値が「日本食品成分表」にある場合は調理後の値を採用し,調理後の成分値が掲載されていない場合は生の値を用いる.
〇⑷ 文章通り.世帯ごとに調理に用いた量を聞き取り,世帯構成員が摂取した割合により個人の食品群および栄養素などの摂取量を算出する.なお,案分比率とは,調理に用いた食材料の全体量を構成員が摂取した割合で除して個々の摂取量を算出することを指す.
×⑸ 1歳以上が対象である.
正解 : ⑷
【解法の要点】
「国民健康・栄養調査」に関する問題は頻出である.栄養素摂取状況は近年の結果に限らず,過去に遡り,推移が特徴的な栄養素を中心にしっかりと確認しておくとともに,我が国の食糧事情と照らし合わせて推測できるかがポイントとなる.
【解説】
×⑴~⑶,⑸ 選択肢⑷の解説を参照.
〇⑷ 本問の選択肢の内容から,a・bが動物性脂質/たんぱく質か,c・dがエネルギー/炭水化物かを順番に考えていこう.まず,a・bについて,昭和30(1955)~昭和50(1975)年で食の欧米化が進んだ時代背景を考えると,急激な増加がみられるのは動物性脂質,残る動物性たんぱく質がbと推測できる.次にc・dについて,エネルギー摂取量はたんぱく質・脂質・炭水化物の摂取量を合算して算出されるので,炭水化物の摂取量よりもエネルギー摂取量の推移が下回ることは考えにくい.また,日本ではエネルギーの大半を炭水化物から摂取することから炭水化物とエネルギー摂取量のグラフの形は似ていることが考えられる.これらのことから,エネルギーがc,炭水化物がd と推測でき,選択肢(4)が正答と分かる.
正解 : ⑷