集団を対象とした食事調査によって得られた栄養素摂取量のデータ解析に及ぼす影響と,その解決法に関する記述である.【a】~【c】に入る正しいものの組合せはどれか.1つ選べ.
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食事調査によって得られた栄養素摂取量について,【a】の影響を取り除く方法の一つとして,栄養素摂取量を【a】で除し,単位当たりの栄養素摂取量を算出する方法がある.この方法を【b】という.また,データの解析段階では,交絡因子の影響を取り除くため,一般的に【c】が行われている。
- ⑴ a:総エネルギー摂取量・・・b:栄養素密度法・・・c:マッチング
- ⑵ a:総エネルギー摂取量・・・b:栄養素密度法・・・c:層化
- ⑶ a:総エネルギー摂取量・・・b:残差法・・・c:マッチング
- ⑷ a:総たんぱく質摂取量・・・b:残差法・・・c:層化
- ⑸ a:総たんぱく質摂取量・・・b:栄養素密度法・・・c:マッチング
【解法の要点】
エネルギー摂取量の調整方法に関する問題である.代表的な方法である密度法と残差法によるエネルギー調整方法について確認しておこう.
【解説】
×⑴,⑶~⑸ 選択肢⑵解説を参照.
〇⑵ 総エネルギー摂取量に対する栄養摂取量の割合を算出する方法を密度法という.残差法は,一次回帰式から求められた予測値と実測値の差を算出する方法であるため,問題文の説明と異なる.また,データの解析段階で,交絡因子の影響を取り除くため,男女別や年齢階級別などのグループに分けて解析を行う.この手法を層化という.なお,マッチングとは,症例群に対して交絡因子が生じないように対照群を選ぶ制御方法であり,調査計画段階で行う.
正解 : (2)
【解法の要点】
エネルギー摂取量の影響を取り除いた栄養素摂取量を算出するために行うのがエネルギー調整で,密度法と残差法が代表的な方法である.それぞれの特徴を把握しておこう.
【解説】
×⑴ 密度法の説明である.
×⑵~⑷ エネルギー調整の方法ではない.
〇⑸ 文章通り.回帰式をつかって総エネルギー摂取量から算出した測定値(予測値)と,実際の栄養素摂取量の測定値との差のことを残差と呼び,この値をエネルギー調整値として用いる.
正解 : ⑸