【解法の要点】
本問で問われている特定給食施設で提供される給食は,「健康増進法」第20条の特定給食施設の定義や同法施行規則第9条の特定給食施設の栄養管理に基づいている.
【解説】
〇⑴ 栄養管理された食事を継続して提供することで,喫食者の健康の保持増進,疾病の予防・治療,QOL(生活の質)の向上の効果を上げることができる.
〇⑵ 特に学校給食においては,地域の産物を活用するなどの創意工夫を通じて,地域の食文化や産業,自然の恩恵に対する理解を深めることが規定されている.(「学校給食法」第三章 )
〇⑶ 給食は,利用者が適正な食事の摂食体験を通して望ましい食嗜好・食習慣を形成する良い機会であり,各施設に適した食環境整備によって進める.
×⑷ 特定給食施設では,特定多数の人々の栄養管理を行う.(「健康増進法」第20条第1項)特定多数の人々とは,継続的に提供される食事を利用する人である.たとえば,学校給食では児童・生徒,病院給食では入院患者,事業所給食では従業員である.
〇⑸ 給食は,実際に食事を食べる体験を通して,望ましい食習慣を確立するための実践的な栄養教材となる.給食は栄養教育の「生きた教材」といわれ,食育への活用が期待される.
正解 : (4)
【解法の要点】
「健康増進法」第20条に示される特定給食施設の定義や,「健康増進法」施行規則第9条の栄養管理の基準に示される特定給食施設の栄養管理について問う,頻出の問題である.
【解説】
○⑴,⑵ 食事の提供は利用者の身体状況,栄養状態,生活習慣などを考慮したうえで行う.
○⑶ 給食の献立は,利用者の嗜好や食事の摂取量に配慮して作成するように努める.
○⑷ 給食は利用者が正しい食習慣を身につけるよい機会であるため,各施設に適した環境整備などによってこれを進めていく.
×⑸ 特定給食施設の利用者とは,施設を利用する特定多数の集団であり,全地域住民ではない.
正解 : (5)
【解法の要点】
特定給食施設の設置者が適切な栄養管理を行わなければならない点は「健康増進法」第21条第3項に,栄養管理の基準は「健康増進法施行規則」第9条に規定されている.根拠法令を理解したうえで,適切な栄養管理につながる取り組みをイメージしながら考えよう.
【解説】
〇⑴ 特定給食施設の設置者は,管理栄養士や栄養士を配置するように努めなければならない.なお,特定給食施設のうち,特別な栄養管理を必要とする施設の設置者は,管理栄養士および栄養士を配置する義務がある.(「健康増進法」第21条第1項および第2項)
〇⑵ 特定給食施設の設置者は,利用者の栄養状態等を定期的に把握する必要があると定められている(「健康増進法施行規則」第9条).この情報を多職種間で共有・把握することは,栄養状態の維持・向上につながる.
×⑶ 食料自給率の向上は我が国の重要な課題であり,給食施設においても積極的に取り組むべき事項ではあるが,利用者の適切な栄養管理にはつながらない.
〇⑷ 特定給食施設が行う栄養管理において,給食の運営は,衛生的かつ安全に行われることと示されている(「特定給食施設における栄養管理に関する指導・支援等について」別添2第2の5).そのため特定給食施設の設置者は,施設設備について,「食品衛生法」や「大量調理施設衛生管理マニュアル」その他関係法令等に準じて整備する必要がある.
〇⑸ 特定給食施設が行う栄養管理において,災害等発生時にも適切な栄養管理が行えるよう平時から備える必要があると示されている(「特定給食施設における栄養管理に関する指導・支援等について」別添2第3).よって,地域連携も災害発生時のために努めるべき体制の整備にあたる.
正解 : (3)