【解法の要点】
給食システムと調理システム,提供システムについて,具体的なイメージを持ち,理解しておくことが必要である.また,マーケティングの用語は,社会の小売業や流通業で用いる顧客の購買行動観察の方法についても興味を持ち,教科書の記載を読んでおく.
【解説】
×⑴ レディフードシステムは調理済みの料理を再加熱して提供するオペレーションシステムであり,料理をその日に作り提供するクックサーブは該当しない.クックフリーズ,クックチルなどの調理システムが用いられる.
×⑵ コンベンショナルシステムとは,提供すべき食数の料理を,その日に作り提供するオペレーションシステムを指し,クックサーブが用いられる.調理後の食品を急速冷凍し,提供時に再加熱するクックフリーズは,レディフードシステムで用いられる調理システムである.
○⑶ 正しい組合せ.セントラルキッチンシステムとは1 カ所の厨房で半調理品または調理済食品を生産し,多くのサテライトキッチンに搬送し,食事として提供するシステムを指す.
×⑷ セルフサービスシステムとは,配膳方式の1つで,利用者が自身で配膳と下膳を行う方法を指す.出来上がった食事を,提供者が盛り付けトレイにセッティングするトレイメイク(配膳)とは異なる.
○⑸ POSシステムは,Point of Sales(販売時点情報管理)の略称である.顧客情報をレジスターなどに入力することで,どのような顧客がいつ,何を購入しているかを集積し,購買行動を分析するマーケティングに関連するシステムである.
正解 : (3),(5)
【解法の要点】
生産システムと提供システムにはどのような種類があるか,それぞれの特徴やメリット,デメリットについてもしっかり確認しておこう
【解説】
×⑴ コンベンショナルシステムはクックサーブシステムのことであり,調理後すみやかに提供する生産・提供システムである.したがって加熱調理後に冷蔵保存するための設備は不要である.なお,加熱調理後に急速冷却した料理を提供日まで冷蔵保存するための施設を要するのはレディフードシステムである.
×⑵ 逆である.セントラルキッチンシステムでは,セントラルキッチンで集中的に調理したあと,各施設のサテライトキッチンに配送し,再加熱や盛り付けを行い提供する.
×⑶ レディフードシステムは,事前に調理・保管し,適宜必要に応じて再加熱して提供するため,食材料の納品日を提供当日にする必要はない.食材料の納品日を提供当日にする必要があるのは,コンベンショナルシステムである.ただし,コンベンショナルシステムを導入している施設のうち,学校以外の施設では,人手の問題なども考慮して,納品日が決められることがあり,必ずしも納品日と提供日が同じとは限らない.
×⑷ クックチルシステムは,冷凍保存ではない.加熱調理後,90分以内に中心温度を3 ℃以下まで急速冷却し,冷蔵保存する.提供時に,75 ℃以上で1分間以上再加熱を行い提供する.保存期間は製造日を含めて最大5日までとする.なお,加熱調理後に急速冷凍し,-18 ℃以下で保存するのは,クックフリーズシステムである.
〇⑸ アッセンブリーシステムは,出来上がった料理を購入し,トレーセット前に再加熱し提供するため食材料の下処理作業は不要である.
正解 : (5)
【解法の要点】
クックチルシステムは,レディーフードシステムに含まれる調理システムのひとつで,調理後の食品を急速冷却して冷蔵保管し,再加熱して提供するシステムである.各調理システムの特徴について,確認をしておこう.
【解説】
×⑴ 調理済み食品を購入し,再加熱して提供するシステムはアッセンブリーシステムである.
×⑵ 労働生産性が低いとは,1人あたりの生産量が少ないことを意味する.クックチルシステムでは,事前調理が可能であるため計画生産が可能となる.そのため繁閑の差が小さくなるなどの合理化が図れることから,一般的に労働生産性は高くなる.
○⑶ クックチルシステムでは,調理後,最大5日間(調理日と消費日を含む)の冷蔵保存が可能なので,提供日より前倒しで計画生産が可能である.
×⑷ クックチルシステムでは,加熱調理後は90分以内に3℃以下まで冷却する.
×⑸ クックチルシステムでは,調理した料理の保存期間は,調理日と消費日を含めた5日間である.
正解 : (3)
【解法の要点】
給食のオペレーションシステムおよび調理システムの利点について,品質管理,衛生管理および生産性の観点から確認しておこう.
【解説】
×⑴ コンベンショナルシステムは,喫食当日に給食の生産(調理)と配食を同一施設で連続して行うオペレーションシステムであり,サテライトキッチンでの盛り付け作業は該当しない.
×⑵ クックサーブシステムは,喫食当日に食材料の下処理から盛り付け・提供まで行う調理システムである.調理後,冷凍保存するシステムはクックフリーズシステムである.
×⑶ クックチルシステムは,調理後の冷蔵保存が可能であるため(調理日と消費日を含む最大5日間),提供前の作業が主に再加熱のみとなり,調理の時間が大幅に削減される.手の空いた時間に事前調理を行うなどの計画生産が可能であることから,ピーク時の作業の平準化などにより人件費を削減することができ,労働生産性は高くなる.
〇⑷ クックフリーズシステムは,調理後の冷凍保存が可能であるため,提供日より前倒しで計画生産が可能である.
×⑸ アッセンブリーサーブシステムは,調理済みの料理を購入し,再加熱して提供するシステムであることから,調理従事者の高い調理技術は必要としない.
正解 : ⑷