【解法の要点】
インシデントレポートの分析は,インシデントの再発防止,インシデントがアクシデントに発展することを未然に防ぐこと,調理従事者の意識向上につながることを理解しよう.なお,「大量調理施設衛生管理マニュアル」の手袋の交換についても確認しておこう.
【解説】
×⑴ 手袋の使用目的は二次汚染防止であるため,やめるべきではない.手指から食品への汚染防止,手指から食品への汚染防止のために,生食や調理済みの食品に触れるとき,または肉・魚介類・卵などを扱うときなどに使用する.
×⑵ 手袋の交換回数を減らすことは,同じ手袋の長時間の使用となる.これによって,手袋の劣化による破損,汗による内部汚染はもちろん,本来手袋を取り換えてから触れるはずの器具や目的外の食品にそのまま触れてしまうことによる二次汚染につながるため,望ましくない.なお,手袋は,手洗いと同様に着用・交換し,交換時は再度手洗いを行ってから新しい手袋を着用する.
×⑶ 給食施設では,異物混入対策のために食品中に手袋の破片が入っても発見しやすい青色など色のついた手袋を使用する場合が多い.色を白に変更すると食品中に破片を見つけにくくなり,アクシデントを起こす可能性が高くなる.まずは,手袋の破損や破片が起こる原因を探り防止対策を講じることが重要である.なお,手袋は用途に応じて材質や形・色・長さを選ぶ.
×⑷ 手袋は手の大きさに合った密着したものを装着する.なお,余裕のあるサイズの手袋は,指先が見えにくい,作業がしにくい,引っ張って破れやすい,指先の余り部分を切断し異物混入となる,手袋が作業中に脱げる,水分が中に入り不衛生となるなどのデメリットがあり,アクシデントにつながる.
○⑸ 手袋の状態の確認は,使用前後および作業中に定期的に破損や汚れなどの異常がないか点検や交換を行うことによって事故を防ぐことにつながる.なお,手袋の交換時には,次の点検時まで破棄せず保管し,破損がないことを確認してから廃棄するなどマニュアル化しておくとよい.
正解 : (5)
【解法の要点】
給食施設では,大きな事故に至らなくともヒヤリとしたり,ハッとするような小さな事故が日常的に起こりやすく,インシデント管理は極めて重要である.インシデントレポートに記載すべき内容を理解しておこう.
【解説】
×⑴ インシデント管理は,実際に事故が起こらないよう未然に防止するためのものである.
×⑵ 作業観察によるものではなく,なぜインシデントが起こったのかを分析するための報告書である.インシデントが起こった原因,問題点,解決策などを記載し分析する.
×⑶,⑷ インシデントレポートとは,分析結果を給食従事者全員に情報共有するもので,事例から学んだことを教訓として事故を未然に防ぐことを目的としている.報告者の責任を問うものではない.
〇⑸ 文章通り.インシデントレポートの共有化により給食従事者の危機管理意識を向上させ,事故の発生リスクを抑制できる.
正解 : ⑸