【解法の要点】
リン酸,デオキシリボース(五炭糖),塩基(グアニン,アデニン,チミン,シトシンの中のいずれか1つ)より構成される核酸の最小単位をヌクレオチドとよぶ.DNA(デオキシリボ核酸)はこの4種類のヌクレオチドが繰り返し繋がってできた鎖状の構造をもつ.その際アデニンはチミンと,グアニンはシトシンと結合し,互いにねじれて二重らせん構造をとる.
【解説】
◯(1),(3)〜(5) 解法の要点 参照.
✕(2) ウラシルはRNAのヌクレオチドを構成する塩基である.
正解 : (2)
【解法の要点】
核酸は核および一部の細胞小器官のみに存在するDNA(デオキシリボ核酸)と,細胞質にも存在するRNA(リボ核酸)の2種類がある.いずれもリン酸–糖–塩基を1単位とするヌクレオチドが連なって構成されており,この糖の部分がDNAではデオキシリボース,RNAではリボースとなっている.塩基にはプリン塩基であるアデニンとグアニン,ピリミジン塩基であるシトシン,チミン,ウラシルがある.アデニン,グアニン,シトシンはDNA・RNAに共通であるが,チミンはDNAにのみ,ウラシルはRNAにのみ存在する.特殊な例を除き,DNAは2本鎖,RNAは1本鎖である.
【解説】
✕(1) RNAには基本的にチミンではなくウラシルが含まれる.アデニン,グアニン,シトシン,ウラシルが構成塩基である.
◯(2),(4),(5) 解法の要点参照.
◯(3) コドンとは,mRNAがアミノ酸配列へと翻訳される際,アミノ酸1つに対応する塩基配列の単位である.3塩基で1つのアミノ酸をコードしている.
正解 : (1)
【解法の要点】
遺伝情報伝達の知識を問う問題である.
【解説】
✕(1) リボソームRNAはリボソームを構成するRNAである.リボソームは遺伝情報をもとに蛋白質を合成する.ATPを産生するのはミトコンドリアである.
✕(2) アデニンはチミンと,シトシンはグアニンと結合している.
◯(3) ゲノムとは,1つの細胞,または生物がもつすべての遺伝子情報のことである.ヒトゲノムは,23本の染色体に含まれるDNAの遺伝情報全体(すべての遺伝子と非遺伝子領域を合わせた情報)のことを指す.
✕(4) DNAからmRNAに塩基配列が転写される.tRNAはmRNAを鋳型とした翻訳(リボソームにおける蛋白質合成)に関わっている.
✕(5) 3つの塩基の組合せがアミノ酸の暗号(コドン)になる.
正解 : (3)
【解法の要点】
染色体と細胞分裂に関しての基本的な問題である.
【解説】
✕(1) 染色体は全部で23対46本あり,そのうちの1対2本が性染色体で,22対44本が常染色体である.
✕(2) Y染色体はX染色体より小さい.
◯(3) 減数分裂が生殖細胞(性染色体)に起こることで,母由来,父由来ともに1セット(常染色体22本+性染色体1本)ずつ子に受け継がれる.
✕(4) 細胞分裂は中心小体の移動から開始される.
✕(5) トリソミーとは,本来1対(2本)あるはずの相同染色体が,何らかの理由によって3本になった場合のことをいう.性染色体に限らず常染色体の場合も含む.21番染色体トリソミーであるDown症は有名である.
正解 : (3)
【解法の要点】
内胚葉:主に消化管(食道,小腸,大腸)と肝・胆・膵・器官・肺の内面を覆う上皮 外胚葉:主に表皮(爪,毛)や感覚器(水晶体など)と神経管(脳,脊髄,脊髄神経) 中胚葉:主に結合組織となり,皮膚の真皮,筋肉,骨,心臓,血管,血液,腎臓,尿管
【解説】
✕(1),(3)〜(5) 中枢神経は外胚葉由来である.血管,筋,骨は中胚葉由来である.
◯(2) 腸管は内胚葉由来である.
正解 : (2)