【解法の要点】
小児の反射出現時期や発達については教科書によって多少の差があり,受験生は混乱してしまいがちだが,大まかに知っておこう.
【解説】
✕(1) Moro反射は原始反射の一つで,新生児期からみられ4〜6ヵ月までに消失する.
✕(2) 手の把握反射は出生時より認められ,生後3~4ヵ月までに消失する.
✕(3) 緊張性迷路反射は新生児期からみられ,4〜6ヵ月頃消失する.
◯(4) パラシュート反応(射)は生後6〜9ヵ月頃出現し,生涯続く.
✕(5) 非対称性緊張性頸反射は新生児期からみられ,4〜6ヵ月までに消失する.
正解 : (4)
【解法の要点】
原始反射は生後直後よりみられる反射であり,原始反射の名前と内容を再度確認しておこう.文章で覚えるよりも画像や動画などを見ておくと思い出しやすい.
【解説】
◯(1) Moro反射とは,背臥位において頭を持ち上げて支えておき,支えるのをやめて頸部が伸展位になるまで落とすと上肢が伸展するという反射である.生後4〜6ヵ月頃までに消失する.
✕(2) 緊張性迷路反射とは,腹臥位において四肢が屈曲し,仰臥位において四肢が伸展するという反射である.
✕(3) 迷路反射は,迷路内の耳石器を受容器とするもので,空間における頭部位置により誘発される反射である.頸椎関節の固有受容器の興奮により誘発される反射は頸反射であり,非対称性緊張性頸反射は,背臥位において顔を一側に向けると,顔を向けた側の上下肢が伸展するという反射である.
✕(4) Galant反射とは,乳児を腹臥位で持ち上げた状態で脊柱外側を頭側から尾側へ刺激すると,刺激した側に体幹が屈曲する(反対側に凸になる)反射である.
✕(5) 台のせ反応(反射)とは,新生児を抱えて一方の下肢を支え,他方の足背を机の端にこすり上げると,刺激した下肢が屈曲し,足を机の上に持ち上げる脊髄レベルの原始反射である.
正解 : (1)
【解法の要点】
成長・発達に関する問題である.運動発達だけでなく,社会性や言語の評価についても一通り知っておく必要がある.
【解説】
✕(1) ボールを前にけることができるのは1歳9ヵ月~2歳頃である.
✕(2) 積木を横に二つ以上ならべるようになるのは1歳9ヵ月~2歳頃である.ちなみに,積木を二つ重ねるようになるのは1歳2~4ヵ月頃である.
◯(3) お菓子のつつみ紙をとって食べるようになるのは1歳0~2ヵ月頃である.
✕(4) 親から離れて遊ぶようになるのは1歳9ヵ月~2歳である.
✕(5) 大きい,小さいがわかるようになるのは2歳3~6ヵ月である.
正解 : (3)
【解法の要点】
GMFCS(粗大運動能力分類システム)は判別的な尺度であり,脳性麻痺児の粗大運動および移動能力の障害程度を分類するものである.
【解説】
✕(1) 階段で手すりを使用するのは,レベルⅡである.レベルⅠでは手すりを使わずに階段を昇り降りできる.
◯(2) 装具なしで歩行するのは,レベルⅠとⅡである.
✕(3) 不整地の歩行は,レベルⅠである.レベルⅢでは,屋内では移動機器を利用して歩行ができる.
✕(4) 通常の椅子で座位保持が可能なのはレベルⅡまでである.レベルⅢでシートベルトを必要とすることがある.レベルⅣでは座位保持に配慮が必要で,移動も車椅子となる.
✕(5) 寝返り可能は,レベルⅣである.Ⅴでは車椅子移動も介助が必要で,寝返りなどの動作もできない.
正解 : (2)
【解法の要点】
GMFCSは判別的な尺度であり,脳性麻痺児の粗大運動および移動能力の障害程度を分類するものである.各段階についても大まかに覚えておく必要もある.
【解説】
✕(1) GMFCSは脳性麻痺児の粗大運動能力を5つのレベルに分けている.
✕(2) 運動能力のレベルは,歩行器や車椅子などを含む補助具の必要性などをもとにしている. また,6 歳以上の年齢帯の記述は,移動手段に対する環境要因子(学校までの距離,地面が平坦かどうかなど)の影響を反映している.
✕(3) GMFCS(2007)では,発達段階に合わせて2歳未満,2~4歳未満,4~6歳未満,6~12歳未満,12歳~18歳未満の5グループに分類される.
◯(4) GMFCSは,脳性麻痺児の遂行能力の段階づけを行い,長期的な予後予測を可能としている.脳性麻痺の重症度とは,運動面だけでなく,知的面,合併症を含めて考える.
✕(5) GMFCSは特に座位,および歩行に重点を置いている.
正解 : (4)
【解法の要点】
改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査は,小児の成長・発達の過程を示す.通過率90%とは,90%の小児がその動作・行為を獲得している時期のことである.
【解説】
◯(1) 手に持ったビスケットを自分で食べられるのは7~8ヵ月である.
✕(2) 自分でコップから水を飲めるのは15~16ヵ月である.
✕(3) 声に振り向くのは5~6ヵ月である.
✕(4) つたい歩きができるのは11ヵ月である.
✕(5) 人の顔を見つめることができるのは1ヵ月である.
正解 : (1)