【解法の要点】
転倒のリスク要因としては,筋力低下,過去の転倒歴,歩行能力低下,バランス機能低下,補助具の使用がある.
【解説】
◯(1) FBS(Functional Balance scale)はバランス機能の低下を発見するスクリーニングとして活用される.
✕(2) KPS(Karnofsky Performance scale)は,がん患者の全身状態や日常生活での活動度を評価するツールとして使われている.
✕(3) PGCモラールスケールは,高齢者のQOL評価尺度であり,「主観的幸福感」を評価する.
✕(4) SIAS(Stroke Impairment Assessment Set:脳卒中機能障害評価法)は,脳卒中の多様な症状を,運動機能障害だけでなく,言語機能,感覚機能など非麻痺側機能を含めて総合的に評価する方法である.脳卒中患者の総合的な評価にはなるが,転倒の評価としては不十分である.
✕(5) WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類課題)は,前頭葉の遂行機能の検査である.
正解 : (1)
【解法の要点】
FBS(Functional Balance Scale)はバランス能力の低下を発見するスクリーニングとして活用される.14項目について0~4点の5段階で評価する(56点満点).得点が高いほどバランス機能は良好である.
【解説】
◯(1) FBSは点数が低いほどバランス機能は低い.
✕(2) TUG(Timed Up and Go Test)は,椅子から3m離れたところにコーンなどを置き,被検者が椅子から立ち上がりコーンを回って再び椅子に座るまでの時間を計測する.特に,高齢者の下肢筋力,バランス,歩行能力,易転倒性といった日常生活機能との関連性が高い.
✕(3) 10m歩行時間は,10m歩行するのにかかる時間を測定する.治療効果判定の指標としても用いられることが多く,歩行能力や日常生活機能の向上との関連も報告されている.
✕(4) 片脚立位時間は長い方がバランス機能は良好である.簡易的に測定できるため高齢者の身体機能の評価として幅広く活用されている.
✕(5) Functional Reach Test は立位で足底と床面の全面接地を保持したまま,水平方向に上肢をできるだけ伸ばす.前方への重心移動域を上肢の移動距離として測定し,測定値が大きいほどバランス機能が良好である.
正解 : (1)