【解法の要点】
二分脊椎では,Sharrardの分類を参考にして,機能残存レベルから運動機能獲得の目標を設定する.本症例は,大腿四頭筋(L2~4)の筋力が残存し,内側ハムストリングス(L4~S1),前脛骨筋(L4~S1),後脛骨筋(L5~S1)の筋力低下を認める.また,L4残存レベルでは前脛骨筋が下腿三頭筋より強くなるため足部の内反変形がみられる.
【解説】
✕(1) I群の機能残存レベルはT12である.
✕(2) II群の機能残存レベルはL1~2である.
◯(3) III群の機能残存レベルはL3~4である.
✕(4) IV群の機能残存レベルはL5である.
✕(5) V群の機能残存レベルはS1~2である.
正解 : (3)
【解法の要点】
L4~S2機能残存レベルでは,前脛骨筋,ハムストリングス,下腿三頭筋,大殿筋などが順次発揮可能となり,独歩が可能である.L4機能残存レベルでは,短下肢装具と杖で実用歩行が可能である.
【解説】
✕(1) 第2腰髄機能残存レベルでは,腸腰筋が残存している.長下肢装具と両ロフストランド杖を用いることで歩行が可能である.
✕(2) 第3腰髄機能残存レベルでは,大腿四頭筋まで機能し,長・短下肢装具と杖による歩行が訓練レベルで可能である.短距離は杖歩行,長距離は車椅子を併用する.
◯(3) 第4腰髄機能残存レベルでは,短下肢装具利用にて歩行が可能である.
✕(4) 第 5腰髄機能残存レベルでは,前脛骨筋は機能が残存するが下腿三頭筋は機能しにくいため,足部は背屈位をとりやすくなり,踵足変形となりやすい.
✕(5) 第1仙髄機能残存レベルでは,装具なしで歩行が可能なレベルである.
正解 : (3)
【解法の要点】
腰髄髄膜瘤による二分脊椎は,下肢の麻痺を伴い,踵足変形を起こしやすい.画像から踵足変形(背屈位になっている)の所見と踵足変形に対する正しい対処ができるかどうかが問われている.
【解説】
✕(1) 背屈制限や脚長差がある場合に適応がある.
✕(2) 足部内反がある場合に適応がある.
✕(3) 痙縮に伴う足指屈曲による痛みや中足骨頭痛に適応がある.
✕(4) 足部内反がある場合に適応がある.
◯(5) 下腿三頭筋の筋力低下より,足関節背屈位での変形があり,背屈を制動する足継手が適応となる.
正解 : (5)
【解法の要点】
二分脊椎では,Sharrardの分類を参考にして,残存レベルから運動機能獲得の目標を設定する. L4機能残存レベルでは,短下肢装具のみを使用して歩行練習レベル,もしくは短下肢装具と杖を利用して練習レベルと実用レベルの歩行が可能である.
【解説】
✕(1) 第5腰髄の機能残存レベルでは,前脛骨筋は機能するが下腿三頭筋は機能しにくいため,足部は背屈位をとりやすく踵足変形となりやすい.そのため靴型装具が使用される.
◯(2) 第4腰髄機能残存レベルでは,短下肢装具と杖で実用歩行が可能である.まず,短下肢装具と杖を併用した歩行練習を開始する.
◯(3) 第4腰髄機能残存レベルでは,短下肢装具のみでも短い距離であれば歩行が可能である.
✕(4) 第2および第3腰髄機能残存レベルで適応となる.
✕(5) 第1腰髄機能残存レベルまでの適応である.
正解 : (2),(3)
【解法の要点】
本症例のSharrardの分類はⅣ群であり,L5の機能が残存している.前脛骨筋は機能するが下腿三頭筋は機能しにくいため,足部は背屈位をとりやすく,踵足変形となりやすい.そのため靴型装具が使用される.
【解説】
◯(1) 解法の要点通りである.
✕(2) Sharrardの分類はⅢ群で,機能残存レベルがL3であれば適応である.
✕(3) Sharrardの分類はⅢ群で,機能残存レベルがL4であれば適応である.
✕(4) Sharrardの分類はⅡ群で,機能残存レベルがL2であれば適応である.
✕(5) Sharrardの分類はⅠまたはⅡ群で,機能残存レベルがL1までの適応である.
正解 : (1)