【解法の要点】
長下肢装具の継ぎ手の種類や適合判定からの出題である.適合判定では,長さ,神経との位置関係,継ぎ手の位置,支柱の位置などが問題となる.
【解説】
✕(1) 外側支柱の高さは大転子より2~3cm下方にする.
✕(2) 膝継手は輪止め式(リングロック)である.オフセット式(継手)とは,側面から見ると逆「くの字」状になっているもので,荷重線が軸の後ろを通りにくくすることで膝折れを防ぐものである.
✕(3) 下腿半月の位置は,腓骨頭下端から2~3cm下方にする.
◯(4) ダブルクレンザック(二方向補助付き足継手)である.
◯(5) 正面図でも側面図でも,下腿部の支柱にプラスのネジが2個ずつ付いており,これを外すと長下肢装具から短下肢装具へ変更可能である.正面図をよく見ると,下腿半月から下腿部の支柱遠位1/2くらいまで支柱が2重になっているのがわかる.
正解 : (4),(5)
【解法の要点】
装具の適合判定は,一般的な適合と,疾患特異的な適合に大別される.身体との関係では,長さ,骨隆起部・神経との位置関係,継手の位置,支柱の位置などが問題となる.教科書により記載が微妙に異なるが,ポイントとなるところが指摘できれば十分である.本解説では「義肢装具のチェックポイント第9版」に準ずる.
【解説】
✕(1) 骨盤帯は腸骨稜と大転子の中間で,床面と平行とする.
✕(2) 下腿半月上縁は腓骨頭下端から2~3cm遠位で床面と水平にとる.
✕(3) 股継手軸は大転子の上方2cm,前方2cmの位置とする.
◯(4) 膝継手軸の高さは,前額面では膝関節裂隙と内転筋結節の中間で床面と並行し,矢状面では前後径の中央と後方1/3との中間点に設定する.
✕(5) 足継手軸は内果下端と外果中央を結ぶ線を通り,床面と平行となるように設定する.
正解 : (4)
【解法の要点】
交互歩行装具とは股継手が股関節外側にあるもので,RGO,HGOがある.内側継手付き両側長下肢装具とは1つの股継手を両下肢間に有するもので,MSH-KAFO,HALOがある.
【解説】
◯(1) 交互歩行装具では外側股継手を連結するために骨盤帯を有する.内側継手付き両側長下肢装具は基本的に骨盤帯はない.
✕(2) 交互歩行装具は骨盤帯までの一体型であるが,内側継手付き両側長下肢装具は骨盤帯がないため,装着は容易である.
✕(3) 遊脚側の駆動にケーブルを使うのは交互歩行装具である.
◯(4) 内側継手付き両側長下肢装具は,1つの股継手が両下肢間に位置するもので車椅子との併用が可能である.
✕(5) 立位練習の初期は,股関節伸展位で頭―上肢―体幹を装具に載せる立位姿勢(c-posture)がとりやすいようヒールをつけて,足の背屈を出すことがある.
正解 : (1),(4)