【解法の要点】
インシデントとは,結果的に事故(アクシデント)には至らなかったが,事故につながる可能性のあった出来事のことをいう.インシデントレポートの目的は,①事実の確認,②原因の究明,③組織全体で事例を共有・分析し,問題点を抽出する,④将来の医療事故(アクシデント)の予防・再発の防止である.
【解説】
✕(1) インシデントレポートは,速やかに所属長に報告後,院内の医療安全委員会に提出される.その日のうちに作成する.
✕(2) まず「いつ」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」「どうしたのか」という5W1Hを時系列に沿って記載する.客観的事実とともに「どのように対応するべきだったか」「どこに原因があるのか」を考え,記載する.
✕(3) インシデントレポートは,医療事故に至らなかった出来事に対し,将来の医療事故の予防のために作成するものである.
✕(4) 解法の要点 参照.
◯(5) 管理者は報告しやすい環境をつくることが重要である.
正解 : (5)
【解法の要点】
インシデントレポートの目的は,①事実の確認,②原因の究明,③組織全体で事例を共有・分析し,問題点を抽出する,④将来の医療事故(アクシデント)の予防,再発の防止である.
【解説】
✕(1) 患者・家族への説明は必須であるが,責任者を追及・処罰するためのものではない.
✕(2) 監督官庁に報告する必要はない.
◯(3) 解法の要点の通りである.
✕(4),(5) 医療事故防止対策委員会で原因や解決策が検討される.
正解 : (3)
【解法の要点】
Heinrichの法則とは,1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり,その背景には300のインシデントが存在するという経験則である.
【解説】
✕(1) Heinrichの法則は4段階で示される.
✕(2) 多くの人が関わることでエラーの見過ごしが減る.
◯(3) 解法の要点 参照.
✕(4) 2割の人の努力で8割の事故は防ぐことはできない.全員が関わろうとしなく
✕(5) ある案件について1人がミスをする確率が1/100だとすると,2人でチェックすれば単純計算では1/100×1/100=1/10,000ということは示すことができるが,総じて何割減ということはできない.
正解 : (3)
【解法の要点】
各用語の正確な意味の把握が求められる. 「アクシデント」は通常,医療事故に相当する.医療事故とは,医療従事者の過失の有無にかかわらず,医療の全過程の中で発生するすべての人身事故を指す.「インシデント」は,日常診療の場で,誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの,あるいは,誤った医療行為などが実施されたが,結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったものをいう.
【解説】
✕(1) 有害事象とは,あらゆる好ましくない,あるいは意図しない徴候や症状を示す.必ずしも生命に直結するものではない.
✕(2) インシデントとは,適切な対処がなされなかった場合に事故となる可能性を含んだ事象を示す.ヒヤリ・ハットともいう.
✕(3) 法令や指示に従うことをコンプライアンスという.
◯(4) 転倒など直接の医療行為と関係しないアクシデント(医療事故)も存在する.
✕(5) Heinrichの法則とは,1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり,その背景には300の異常が存在するというものである.
正解 : (4)
【解法の要点】
インシデントやアクシデントに関する問題である.転倒事故発生要因には,患者側の要因だけでなく,医療者やケア担当者側の要因,環境の要因がある.
【解説】
◯(1) 患者や家族への経過説明は必須である.また,再発防止のために家族への協力依頼や指導も適宜行う.
◯(2) 転倒・転落の危険度を評価し,それに対する具体策を提案する.
◯(3) 速やかに主治医に報告し,既往歴,現病歴から患者の状態を把握する.また,スタッフ同士の連携を強化し,医療者チーム全体で観察することが重要である.
◯(4) インシデント・アクシデントのレポート提出を行い,患者家族への説明責任や,再発防止に努める責任がある.
✕(5) 高次脳機能障害と転倒のリスクが指摘されており,理学療法士は搬送担当者に患者の転倒リスクを説明する責任がある.
正解 : (5)