【解法の要点】
中央値とは,データを大きさの順に並べたとき順番がちょうど真ん中になる値のことである.分布の形状への依存性は低く,その位置は比較的安定である.
【解説】
✕1 範囲のことである.
✕2 最頻値のことである.
✕3 平均値のことである.
◯4 中央値のことである.
✕5 分散のことである.分散を平方根にとると標準偏差となる.
正解 : (4)
【解法の要点】
統計の用語を理解しているかが求められる.自身で表を描いてみて,数字を大きくしたり具体的なものに例えてみるとよい.
【解説】
✕1 特異度が高い検査は一般的に確定診断に用いられる.一方,感度が高い検査はスクリーニング検査に用いられる.一般的に血液検査によって確定診断に至ることは少ない.
✕2 感度が高い検査はスクリーニング検査に有用であり,見落としが少ない.
◯3 特異度は「本来疾患が無い場合に検査が陰性になる割合」なので,特異度が高ければ「本来疾患が無いにも関わらず検査が陽性となる」ケースが少なくなる.結果,過剰診断が少ないともいえる.
✕4 信頼区間の幅が狭いほうが再現性は高くなる.
✕5 肺がんに対する胸部X線検査は感度59.6〜73.5%といわれており,決して感度が高いとはいえない.肺がんに対して感度が高い検査は胸部CT(93.3~94.4%)である.
正解 : (3)
【解法の要点】
尺度の名称から実際に用いられている例がイメージできるとよい.
【解説】
◯1 MMTは順序尺度である.順序尺度とはがんのステージ分類,MMTなどの順序づけができるものである.
✕2 性別は名義尺度である.名義尺度とは性別,血液型などの質的な違いに対して数値や名前を割り振った尺度である.
◯3 体温は間隔尺度である.間隔尺度とは気温,知能指数のように目盛りが等間隔になっている尺度である.
✕4 知能指数は間隔尺度である.
✕5 暦年は間隔尺度である.
正解 : (1),(3)
【解法の要点】
疾病・疫学の指標は理解しづらい項目だが,定義および定義に使われる用語(割合・率・比の違いなど)を正確に押さえておく.
【解説】
✕1 「死亡率」は,単位人口を一定期間(通常1年)観察したときの死亡発生率である.罹患期間が長くなっても一定期間における死亡数が増えるわけではないので,死亡率は高くならない.
✕2 「致命率」は,対象とする疾患に罹患した者のうち,その疾患が原因で死亡した者の割合であり,主として急性疾患の重症度を示す.罹患期間が長くなっても一定期間における死亡数が増えるわけではないので,致命率は高くならない.
◯3 「有病率」は,ある一時点において疾病を有している者の割合である.罹患期間が長くなれば,観察時点での有病者数が増えるので,有病率は高くなる.
✕4 「罹患率」は,一定期間内における対象者の観察期間の総和(観察人年)のうち,同一期間内に新たに疾病が発生した人の率である.罹患期間が長くなっても観察期間内に新たな患者数が増えるわけではないので,罹患率は高くならない.
✕5 「累積罹患率」は,疾病発症時点の特定が難しい高血圧や糖尿病などの疾病において,すべての対象者の観察期間を同一に設定することで罹患率の代わりに用いられることがある.罹患率とは異なり分母に観察集団の観察開始時点の人数を用い,同一期間内に新たに疾病が発生した人の割合を表す.罹患期間が長くなっても観察期間内に新たに発生した患者数が増えるわけではないので,累積罹患率は高くならない.
正解 : (3)
【解法の要点】
記述統計は,得られたデータの特徴を示す際に用いることが多く,度数分布表,クロス集計表などで表される.
【解説】
✕1 χ2検定は,割合の違いを求めるノンパラメトリック検定である.
◯2 度数とは,実際に得られたデータから「それぞれの階級に何人の人が含まれるか」を表した数であり,度数を表にしたものが度数分布である.
✕3 分散分析は,1つまたは複数の因子の異なる水準間における平均値の差を検定する分析である(一元配置分散分析または二元配置分散分析).また,3群以上の平均値の差の検定にも用いられる(多元配置分散分析).
✕4 多変量解析とは,交絡因子(要因と結果の関連に影響を与える因子)の調整方法の一つで,数学的モデリングによって行われる.
✕5.Mann-WhitneyのU検定は,2群の中央値の差を検定するノンパラメトリック検定である.
正解 : (2)