【解法の要点】
関節可動域測定法の基本軸や移動軸・測定部位などは頻出であるため,正確に記憶しておきたい.
【解説】
✕1 肩甲帯屈曲の基本軸は両側の肩峰を結ぶ線,移動軸は頭頂と肩峰を結ぶ線である.図では,基本軸が体幹の背面に接する線となっており,かつ移動軸が不明確である.
✕2 肩外旋は,基本軸は肘を通る前額面への垂直線,移動軸は尺骨である.上腕を体幹に接して,肘関節を前方90°屈曲位で行い,前腕は中間位とする.図では,
前腕が回外位となっている.
◯3 手関節屈曲(掌屈)は,前腕を中間位とし,基本軸は橈骨,移動軸は第2中手骨である.
◯4 股外転の基本軸は両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線,移動軸は大腿中央線(上前腸骨棘より膝蓋骨中心を結ぶ線)である.背臥位で骨盤を固定し,下肢は外旋しないようにする.
✕5 足底屈は,膝関節を屈曲位で行い,基本軸は腓骨への垂直線,移動軸は第5中足骨である.図では,膝関節が伸展位となっている.
正解 : (3),(4)
【解法の要点】
関節可動域測定における参考可動域角度を問う問題である.基本軸と移動軸が正しく理解されていれば,動きをイメージすることでおよその可動域角度は想像できる.
【解説】
◯1 肩屈曲の参考可動域角度は0~180°である.
✕2 肩外旋の参考可動域角度は0~60°である.
✕3 手尺屈の参考可動域角度は0~55°である.
◯4 股外転の参考可動域角度は0~45°である.
✕5 膝伸展の参考可動域角度は0°である.
正解 : (1),(4)
【解法の要点】
関節可動域測定法は頻出事項なので,検査の手順,肢位などを正確に理解しておく.
【解説】
◯1 肩甲帯挙上の基本軸は両側の肩峰を結ぶ線で,移動軸は肩峰と胸骨上縁を結ぶ線である.
✕2 肩関節内転の基本軸は肩峰を通る床への垂直線であり,移動軸は上腕骨であるが,本問では基本軸が両側の肩峰を結ぶ線となっている.なお,参考可動域0°とすることもあるが,本図では,肩関節を20°もしくは45°屈曲位で行う場合を示しており,この場合の参考可動域は75°となる.
✕3 胸腰部屈曲の可動域測定を,床との距離で測定する場合は,頭部と床ではなく,下垂させた指先と床の間の距離FFD(Finger Floor Distance)を測る.
◯4 頸部の側屈の基本軸は,第7頸椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線であり,移動軸は頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線である.
✕5 足部の外転の基本軸および移動軸は,第1,2中足骨の間の中央線である.
※2022年の 「関節可動域測定法」 の改定で,足部の内外転の基本軸と移動軸は,第2中足骨長軸に変更されている.
正解 : (1),(4)
【解法の要点】
関節可動域測定における参考可動域角度を問う問題である.
【解説】
◯1 肩関節水平伸展の参考可動域角度は30°である.
✕2 肘関節屈曲の参考可動域角度は145°である.
✕3 手関節背屈(伸展)の参考可動域角度は70°である.
✕4 股関節内転の参考可動域角度は20°である.
◯5 足関節底屈(屈曲)の参考可動域角度は45°である.
正解 : (1),(5)
【解法の要点】
関節可動域測定法は頻出事項なので,検査の手順,肢位など正確に理解しておこう.
【解説】
◯1 肩関節内外旋は,基本軸を肘が通る前額面への垂直線とし,移動軸を尺骨とする.上腕を体幹に接して,肘関節を前方90°屈曲位で行う.前腕は中間位とする.
✕2 手関節橈尺屈は,基本軸を前腕の中央線とし,移動軸を第3中手骨とする.前腕を回内位で行う.図では,基本軸がずれているうえに,移動軸も第2中手骨であるため,誤りである.
✕3 胸腰部側屈は,基本軸をヤコビー線の中点に立てた垂直線とし,移動軸を第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線とする.図では,基本軸および移動軸の起始点がヤコビー線の中点ではなく,座面であるため,誤りである.
✕4 足関節底背屈は,基本軸を腓骨への垂直線とし,移動軸を第5中足骨とする.膝関節を屈曲位で行う.図では,膝関節が伸展位であるため,誤りである.
◯5 母指対立は,母指先端と小指基部(または先端)との距離(cm)で表示する.
正解 : (1),(5)