【解法の要点】
リン酸,デオキシリボース(五炭糖),塩基(グアニン,アデニン,チミン,シトシンの中のいずれか1つ)より構成される核酸の最小単位をヌクレオチドとよぶ.DNA(デオキシリボ核酸)はこの4種類のヌクレオチドが繰り返し繋がってできた鎖状の構造をもつ.その際アデニンはチミンと,グアニンはシトシンと結合し,互いにねじれて二重らせん構造をとる.
【解説】
◯(1),(3)〜(5) 解法の要点 参照.
✕(2) ウラシルはRNAのヌクレオチドを構成する塩基である.
正解 : (2)
【解法の要点】
細胞内小器官の各々の機能について問う問題である.
【解説】
✕(1) 中心小体は,中心体が細胞分裂する前に分裂し,紡錘体を形成するなどの役割をもつ.一方,転写は,プロモーターにRNAポリメラーゼと転写因子が結合することで開始される.
✕(2)リソゾーム(リソソーム)は,細胞内消化を行う場である.加水分解酵素により,細胞内に取り込んだ生体高分子の加水分解に関与する.ATP合成を行っているのはミトコンドリアである.
◯(3) 小胞体には,リボソームの付いた粗面小胞体と付いていない滑面小胞体とが存在している.分泌蛋白を含めたすべての蛋白質は,粗面小胞体に付着したリボソームで合成される.
✕(4)Golgi装置は,リボソームで生成され送り込まれてきた蛋白質に糖鎖を付け加える,濃縮するなどの修飾をする機能をもつ.
✕(5)ミトコンドリアは,ATPを合成する.細胞分裂において染色体の分離を担うのは紡錘糸である.
正解 : (3)
【解法の要点】
遺伝情報伝達の知識を問う問題である.
【解説】
✕(1) リボソームRNAはリボソームを構成するRNAである.リボソームは遺伝情報をもとに蛋白質を合成する.ATPを産生するのはミトコンドリアである.
✕(2) アデニンはチミンと,シトシンはグアニンと結合している.
◯(3) ゲノムとは,1つの細胞,または生物がもつすべての遺伝子情報のことである.ヒトゲノムは,23本の染色体に含まれるDNAの遺伝情報全体(すべての遺伝子と非遺伝子領域を合わせた情報)のことを指す.
✕(4) DNAからmRNAに塩基配列が転写される.tRNAはmRNAを鋳型とした翻訳(リボソームにおける蛋白質合成)に関わっている.
✕(5) 3つの塩基の組合せがアミノ酸の暗号(コドン)になる.
正解 : (3)
【解法の要点】
染色体と細胞分裂に関しての基本的な問題である.
【解説】
✕(1) 染色体は全部で23対46本あり,そのうちの1対2本が性染色体で,22対44本が常染色体である.
✕(2) Y染色体はX染色体より小さい.
◯(3) 減数分裂が生殖細胞(性染色体)に起こることで,母由来,父由来ともに1セット(常染色体22本+性染色体1本)ずつ子に受け継がれる.
✕(4) 細胞分裂は中心小体の移動から開始される.
✕(5) トリソミーとは,本来1対(2本)あるはずの相同染色体が,何らかの理由によって3本になった場合のことをいう.性染色体に限らず常染色体の場合も含む.21番染色体トリソミーであるDown症は有名である.
正解 : (3)
【解法の要点】
内胚葉:主に消化管(食道,小腸,大腸)と肝・胆・膵・気管・肺の内面を覆う上皮
外胚葉:主に表皮(爪,毛を含む)や感覚器(水晶体などを含む)と神経管(脳,脊髄,脊髄神経)
中胚葉:主に結合組織となり,皮膚の真皮,筋肉,骨,心臓,血管,血液,腎臓,尿管
【解説】
✕(1) 筋は中胚葉由来である.
✕(2) 子宮は中胚葉由来である.
✕(3)甲状腺は内胚葉由来である.
✕(4) 消化管は内胚葉由来である.
◯(5)松果体は外胚葉由来である.
正解 : (5)