【解法の要点】
下垂体から分泌されるホルモンは,前葉から分泌される6つ(成長ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン,黄体形成ホルモン,卵胞刺激ホルモン)と後葉から分泌される2つ(バソプレシン,オキシトシン)である.下垂体から出るホルモンは特徴的なので必ず記憶しておく.
【解説】
✕(1) メラトニンは松果体から分泌され,概日リズムに関わる.
✕(2),(3) オキシトシン,バソプレシンは下垂体後葉ホルモンである.
◯(4) プロラクチンは下垂体前葉ホルモンである.
✕(5) テストステロンは男性ホルモンのことであり,精巣から分泌される.
正解 : (4)
【解法の要点】
選択肢に挙げられたホルモンはいずれも,副腎皮質あるいは髄質で生成され,人体の恒常性を保つのに欠かせないホルモンである.
【解説】
◯(1) アドレナリンは副腎髄質で合成され,主に交感神経刺激作用をもつ.主な作用として,心臓賦活,血糖上昇作用がある.
✕(2) アルドステロンは副腎皮質の球状層で合成される.RA(レニン-アンギオテンシン)系の最終産物として合成され,腎でのNa+再吸収・K+尿中排泄促進作用を有し,循環血漿量上昇作用をもつ.
✕(3) アンドロゲンは男性ホルモンの総称であり,精巣と副腎皮質の網状層で合成される.主な作用として男性化,女性の腋毛・陰毛の維持がある.
✕(4) コルチゾール(糖質コルチコイド)は副腎皮質の束状層で合成される.糖新生促進,蛋白質異化促進,免疫系抑制などの作用を有する.
◯(5) ノルアドレナリンは副腎髄質で合成され,主に交感神経刺激作用をもつ.全身の末梢血管を収縮させることによって血圧を高める.
正解 : (1),(5)
【解法の要点】
ホルモンとその産生・部位の関係について問う問題である.出題された5種のホルモンは臨床業務上よく出てくるので,しっかり覚えておく必要がある.
【解説】
✕(1) エリスロポエチンは腎臓から分泌され,骨髄で赤芽球に作用し赤血球への分化を促す.
✕(2) グルカゴンは膵Langerhans島A細胞より分泌される.B細胞からはインスリンが分泌される.
✕(3) ソマトスタチンは視床下部,膵Langerhans島D細胞より分泌される.
✕(4) トリヨードサイロニン(T3)は甲状腺の濾胞細胞で産生される.
◯(5) バソプレシンは視床下部の神経細胞で産生され,下垂体後葉から分泌される.
正解 : (5)
【解法の要点】
各ホルモンの働きについて問う問題である.
【解説】
✕(1) グルカゴンは肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生を促すことで血糖上昇作用を促す.
✕(2) メラトニンは松果体から分泌される,いわゆる「睡眠ホルモン」であり,生体リズムの調整に関与している.
✕(3) オキシトシンは下垂体後葉ホルモンであり,子宮収縮や乳汁射出を促す.
✕(4) パラトルモンは副甲状腺ホルモンを指し,Ca2+の再吸収などに関わる.
◯(5) アルドステロンはNaの再吸収と水の再吸収を促進し,尿を濃縮する.
正解 : (5)
【解法の要点】
出題された10種のホルモンは臨床において重要なものである.その分泌部位および作用についてはしっかり覚えておく必要がある.下垂体ホルモンは,前葉および後葉から数多く分泌されるが,後葉からはバソプレシンとオキシトシンのみが分泌される.
【解説】
✕(1) アルドステロンは副腎皮質から分泌され,エリスロポエチンは腎臓から分泌される.
✕(2) グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島α細胞から分泌され,ガストリンは幽門腺や胃腸内壁のG細胞から分泌される.
◯(3) バソプレシンとオキシトシンは共に下垂体後葉から分泌される.
✕(4) パラトルモンは副甲状腺から分泌され,カルシトニンは甲状腺C細胞から分泌される.
✕(5) レニンは腎臓から分泌され,コルチゾールは副腎皮質から分泌される.
正解 : (3)
【解法の要点】
内分泌について,ホルモンとその産生部位に関する問題である.下垂体の前葉・後葉から分泌される代表的なホルモンは覚えておかなければならない.
【解説】
✕(1) プロラクチンは下垂体前葉から分泌され,乳腺に作用し,乳汁産生を促進する.
✕(2) 卵胞刺激ホルモン(FSH)は下垂体前葉より分泌される.
✕(3) エストロゲンはネガティブフィードバックにより,下垂体前葉からの黄体化ホルモン(黄体形成ホルモン:LH)・FSHの分泌を抑制する.
◯(4) 排卵後に,黄体化(黄体形成)ホルモン(LH)は黄体細胞におけるプロゲステロンの分泌を促進する.
✕(5) 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は視床下部から分泌される.
正解 : (4)