【解法の要点】
糖尿病性腎症は,糖尿病に伴う高血糖により引き起こされる腎障害で,糖尿病三大合併症の1つである.臨床的に,蛋白尿,浮腫,高血圧,腎不全をきたす.
【解説】
✕(1) 進行例では著名な蛋白尿をきたす.この歳,血尿,円柱などを伴わないことが特徴である.
◯(2) 糖尿病性腎症は,形態的に,細小血管病変を基礎にした糖尿病性糸球体硬化症を来す・
✕(3) 高血糖が続いた結果,腎糸球体に糖尿病性細血管症が生じ,腎機能が低下する疾患である.
✕(4) 糖尿病性腎症の診断には,糖尿病の罹患機関が5年以上,網膜症,神経障害などの他の合併症を有することが重要である.
◯(5) 糖尿病性腎不全は,透析新規導入原因の第1位となっている.
正解 : (2),(5)
【解法の要点】
糖尿病における運動療法は,インスリン抵抗性を改善させる長期的効果と,筋血流上昇を介して食後高血糖を下げる短絡的な効果がある.しかし血糖値のコントロールが非常位悪い場合,さらに糖尿病により合併症が進行した例では,運動療法はしばしば禁忌となる.
【解説】
✕(1) 実生活の中で実施可能な時間ならいつでもよいが,食事1~2時間までに行うと食後の高血糖が改善するとされる.
◯(2) 冷汗は低血糖発作の予兆である.
◯(3) 運動療法はインスリン感受性を上昇(抵抗性を改善)させるので,中止しなくてもよい.ただし,低血糖を防ぐため,注射部位の運動は避け,食後1時間程度経過してから行う.
◯(4) 血糖コントロールが極端に悪い場合の運動療法は禁忌である.
◯(5) 増殖網膜症がある場合,運動療法を禁止または制限する.
正解 : (1)
【解法の要点】
糖尿病の運動療法についての問題である.
【解説】
✕(1) 実生活の中で実施可能な時間ならいつでもよいが,食事1~2時間までに行うと食後の高血糖が改善するとされる.
✕(2) 冷汗は低血糖発作の予兆である.
✕(3) 運動療法はインスリン感受性を上昇(抵抗性を改善)させるので,中止しなくてもよい.ただし,低血糖を防ぐため,注射部位の運動は避け,食後1時間程度経過してから行う.
✕(4) 血糖コントロールが極端に悪い場合の運動療法は禁忌である.
◯(5) 増殖網膜症がある場合,運動療法を禁止または制限する.
正解 : (5)
【解法の要点】
糖尿病性神経障害(ニューロパチー)は末梢神経障害である.長い神経ほど障害されやすいため初期には下肢の感覚障害より発症し,対称性にしびれ感が現れる.その他の特徴についても押さえておく.
【解説】
✕(1)発症は緩やかで,両側対称性に下肢末端の感覚から障害される.
✕(2)自律神経過反射は,T5,6以上の脊髄損傷患者において,損傷部以下の臓器からの刺激によって起こる自律神経の異常反射である.
✕(3)感覚障害があるので,腱反射は低下する.
◯(4)手袋・靴下型(グローブ&ソックス型)の神経障害を来す.四肢末端(特に下肢)のしびれ,痛み,感覚低下がある.
✕(5)近位筋よりも遠位筋の障害が生じやすい.下肢末端から進行するにつれて徐々に近位筋,上肢に拡大していく.
正解 : (4)