【解法の要点】
精神医学的心理検査からの出題である.各テストが何を行うかを知っているだけではなく,その具体的内容についても知っておく必要がある.また,多くの検査は略語で示されることが多い.正式名称とともに略語も確実に覚える必要がある.
【解説】
✕(1) SCTとは文章完成テスト(Sentence Completion Test)のことである.用紙にはいくつかの単語や未完成の短文があり,その続きを患者が書き込み文章を完成させ,そこから人格を読み取る形式である.対象は小学生以上で,検査用紙は,小学生用,中学生用,高校生以上用の3種類がある.
◯(2) P-Fスタディとは,絵画欲求不満テスト(Picture Frustration Study)のことである.児童用,青年用,成人用の3種類がある.
✕(3) バウムテストは「実のなる木」を1本自由に描いてもらう描画検査である.描かれた木は発達的,病理的指標などをもとに検討される.幼児以上の幅広い年齢が対象となる.
✕(4) モーズレイ性格検査(Maudsley Personality Inventory)は,質問紙法による性格検査である.16歳以上を対象とし,神経症傾向と外向性/内向性の2つの尺度に関して,各24項目ずつの質問から人格を測定するものである.実際の検査では虚偽発見尺度20項目などを含み,計80項目からなる.
✕(5) Revised NEO Personality Inventory(NEO-PI-R)は,質問紙法による性格検査の一つである.性格を,N:神経症傾向,E:外向性,O:開放性,A:調和性,C:誠実性の5つの次元から診断する.大学生,成人が対象となる.
正解 : (2)
【解法の要点】
心理検査は多くあるので,過去問を解きながらその都度覚えていくこと.
【解説】
✕(1) SCT(Sentence Completion Test:文章完成法)は,不完全な文章を完成させてもらうことで,人格を検査する.性格検査の一つである.
✕(2) WCST(Wisconsin Card Sorting Test)は,4つの色と形が描かれた4枚のカードがあらかじめ並べられていて,被検者が手元にあるカードを分類カテゴリーに従って順次並べていくものである.前頭葉の機能を調べる検査であり,主に高次脳機能障害の評価に用いられる.
✕(3) P-Fスタディ(Picture Frustration Study:絵画欲求不満テスト)は,欲求不満の場面の絵を24枚見せて応答する場面を想定して文章を書いてもらい,被検者の性格特性を把握する検査である.
✕(4) Rorschachテストは,10枚の図版を被検者に見せて,どのように見えるか答えさせ,そこから患者の知的側面と人格面を調べる検査である.
◯(5) 内田・クレペリン精神テストは,精神作業能力検査および人格検査であり,被検者に一定時間計算をさせ続けることで,作業量,集中力,注意力などの作業能力と,性格傾向を知ることができる.
正解 : (5)
【解法の要点】
心理検査は多くあるので,過去問を解きながらその都度覚えていくこと.
【解説】
✕(1) HTP(House-tree-person test)は,家屋,樹木,人物の絵を自由に描かせ,そこから心理状態を分析するものである.
◯(2) SCT(Sentence Completion Test:文章完成法)は,不完全な文章を完成させてもらうことで人格を検査する.
✕(3) MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は550項目の質問に「はい」「いいえ」で答え,その結果から人格特性をとらえる検査である.
✕(4) P-Fスタディ(Picture Frustration Study:絵画欲求不満テスト)は,欲求不満の場面の絵を24枚見せて応答する場面を想定して文章を書いてもらい,被検者の性格特性を把握する検査である.
✕(5) ASQ(Autism Screening Questionnaire:自閉症スクリーニング質問紙)は,自閉症にみられる症状を39項目の質問事項とし,それに「はい」「いいえ」で答える質問紙である.「はい」は1点,「いいえ」は0点として,13点以上を自閉症とする.
正解 : (2)
【解法の要点】
投影法は質問紙法(あらかじめ用意されている質問項目に答える方法)ではない性格検査であり,Rorschach test,絵画統覚検査(TAT),文章完成テスト(SCT)などがある.
【解説】
✕(1) CMI (Cornell Medical Index)は質問紙法による性格検査の一つである.
✕(2) MMPI(ミネソタ多面人格目録)は質問紙法による性格検査の一つである.
◯(3) Rorschach testは投影法による性格検査の一つである.
◯(4) SCT(Sentence Completion Test)は投影法による性格検査の一つである.
✕(5) TMT(Trail Making Test)は注意機能や遂行機能を調べる検査の一つで,視覚による探索能力と,注意機能や遂行機能を測定できる.紙面にランダムに並べられた数字や文字を順番にたどり,線で結んでいく.
正解 : (3),(4)
【解法の要点】
知能検査をはじめとする心理検査の種類は膨大であるので,過去問をやりながらその都度覚えていくのがよい.知能検査では対象年齢も覚えておく.
【解説】
✕(1) ADHD-RSは注意欠如・多動性障害のスクリーニング診断治療などの評価に使用可能なスケールである.児童を対象としているが,成人にも使うことは可能である.
✕(2) 小児自閉症評定尺度(CARS)とは,小児を対象とし,自閉症児と自閉症候群以外の発達障害児とを鑑別するために開発されたもので,15項目からなる行動を通して評定する尺度である.さらに,自閉症児を軽中度と中重度に分類できる.
✕(3)アメリカのデンバー式発達スクリーニング検査を,日本の乳幼児向けに改訂して標準化したものが「改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)」であり,乳幼児の発達について①個人‐社会,②微細運動‐適応,③言語,④粗大運動の4領域,104項目から全体的にとらえて発達を評価するものである.適用年齢は,生後16日〜6歳までである.
✕(4) PEP-3は,自閉症・発達障害児教育診断検査3版のことで,用具を使って子どもが遊ぶ場面を直接観察して,模倣・知覚・運動機能・認知機能など発達上の重要な側面を評価するものである.2~12歳が対象である.
◯(5)WISC-Ⅲは,5歳以上16歳11ヵ月以下を対象とする児童・思春期向けの一般的な知能検査である.
正解 : (5)