【解法の要点】
精神科における代表的な治療法や理論について,その創始者と結びつける問題である.国試の頻出事項であり,これを機会にしっかりと覚えておこう.
【解説】
◯(1) A.Beckは,うつ病に対する認知療法(または認知行動療法)を確立した.うつ病患者は物事を悲観的にみるといった認知のゆがみがあり,これを矯正して現実にうまく対応していけるようにするものである.
✕(2) S.Freudは,自由連想法によって精神分析療法を開発した.これは,患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらうことで,無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ,洞察し解決に向かわせるものである.
✕(3) C.Rogersは,来談者中心療法を提唱した.これは,治療者が来談者の話に関心をもって傾聴し,共感していくことによって,来談者自身が自ら気づき,成長していくように導くものである.当初は「非指示的療法」,最近では「パーソンセンタード・アプローチ」ともよばれる.
✕(4) H.Eysenckは,行動療法および人格論の研究を行い,代表的な人格検査である「モーズレイ性格検査(MPI)」をつくった.
✕(5) H.Sullivanは,精神医学を「対人関係の学」とし,人間のパーソナリティはその人の対人関係からのみ理解できるとし,精神療法を行うに際しては,患者と治療者自身との関係を観察しつつ患者に関与すること(関与しながらの観察)の重要性を指摘した.H.Sullivanは統合失調症の患者にもこのような精神療法を行い,「積極的精神療法」といわれている.
正解 : (1)
【解法の要点】
精神科における代表的な治療法や理論について,その創始者と結びつける問題である.国試頻出の事項であり,これを機会にしっかりと覚えておこう.
【解説】
✕(1) Beckは,うつ病に対する認知療法(または認知行動療法)を確立した.うつ病患者は抑うつ気分のため,ものごとを悲観的にみるといった認知のゆがみがあり,これを矯正して現実に正しく対応していけるようにするものである.集団(精神)療法は,参加者同士の相互作用を利用し,各自の問題点を明らかにして治療を促進する方法である.
◯(2) Freudは自由連想法によって精神分析療法を開発した.これは,患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらうことで,無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ,洞察し解決に向かわせるものである.
◯(3) Jungは精神病者の妄想などを神話,夢と比較して研究し,それらの共通点を多く見出し,人類共通の無意識である「普遍的無意識(集合的無意識)」の存在を提唱した.
✕(4) Rogersは来談者中心療法を提唱した.これは,治療者が来談者の話に関心をもって傾聴し,共感していくことによって,来談者自身が自ら気付き,成長していけるとするものである.当初は「非指示的療法」,最近では「パーソン・センタード・アプローチ」ともよばれる.自律訓練法はSchultzにより開発され,自己暗示をかけることにより身体をリラックスさせ,不安・ストレスを軽減させる方法である.
✕(5) Skinnerはオペラント条件付けを開発した.これは,好ましい行動が行われたときに報酬を与えることにより好ましい行動を強化していく技法である.認知療法はBeckによって提唱された.
正解 : (2),(3)
【解法の要点】
精神科における代表的な治療法や理論について,その創始者と結びつける問題である.国試頻出の事項であり,これを機会にしっかりと覚えておこう.
【解説】
✕(1) A. Beckは,うつ病に対する認知療法(または認知行動療法)を確立した.うつ病患者は抑うつ気分のため,ものごとを悲観的にみるといった認知のゆがみがあり,これを矯正して現実に正しく対応していけるようにするものである.
✕(2) J. Bowlbyは愛着理論により,乳幼児期において養育者に受け入れられ十分な愛情を受ける経験をすることが,その後の人格形成に重要である,と提唱した.
✕(3) R. Libermanは,生活技能を向上させることによって社会生活の困難を乗り越えようとする社会生活技能訓練を考案した.生活技能には,対人関係を円滑にするためのスキルや,服薬自己管理スキル,身辺自立のための生活技能スキルなどが含まれる.
◯(4) C. Rogersは,来談者中心療法を提唱した.これは,治療者が来談者の話に関心をもって傾聴し,共感していくことによって,来談者自身が自ら気づき,成長していけるとするものである.当初は「非指示的療法」,最近では「パーソンセンタード・アプローチ」ともよばれる.
✕(5) J. Wolpeは,系統的脱感作を治療法として体系化した.これは,不安を生じさせる刺激を階層化し,段階的に刺激を強く与えていってそれに拮抗できるような反応(筋弛緩など)を身につける方法である.
正解 : (4)
【解法の要点】
精神医学の歴史上の人物の業績を問う問題である.個別に勉強すると膨大な量になるので,まずはこの設問の出てくる人物を覚えること.
【解説】
✕(1)Adler(アドラー)は人が成長するための源泉となる劣等コンプレックスを提唱した.
✕(2)Jaspers(ヤスパース)は『精神病理学総論』を著し,精神症状を把握する方法として,患者の心的体験と状態を記述する方法としての「現象学的方法」,患者を理解するための「了解」という概念を確率した.
◯(3)Jung(ユング)は精神病者の妄想などを神話,夢と比較して研究して,それらの共通点を多く見出し,人類共通の無意識である「普遍的無意識(集合的無意識)」の存在を提唱した.
✕(4)Kraepelin(クレペリン)は,身体疾患に準じて精神医学における疾患単位の概念を確率し,内因性精神病を早発性痴呆(統合失調症)と躁うつ病に分けた.
✕(5)Schneider(シュナイダー)は「臨床精神病理学」を著し,種々の精神疾患を分割,体系化した.
正解 : (3)