【解法の要点】
ICF(国際生活機能分類)は,従来の障害者のみを対象とした分類と異なり,すべての人を対象として障害と健康な状態の両面からその人の「健康状態の構成要素」を評価する分類として策定された.ICFにおける障害とは,「心身機能・身体構造」「活動」「参加」という3つの生活機能に支障を来すことをいい,それぞれ「機能障害」「活動制限」「参加制約」とよばれる.また,「健康状態の構成要素」に影響を与える背景因子として「個人因子」と「環境因子」がある.
【解説】
✕(1) すべての人を対象としている.
✕(2) 活動は個人因子ではなく,生活機能に分類される.
✕(3) 参加は環境因子ではなく,生活機能に分類される.
✕(4) 機能障害という用語は使用される.機能障害とは,心身機能・身体構造の障害のことである.
◯(5) 参加は生活機能に分類され,生活場面への関わりである.
正解 : (5)
【解法の要点】
国際生活機能分類(ICF)において,活動(個人レベル)とは,課題や行為の個人による遂行のこと,つまり応用能力をさすものである.活動は能力障害を肯定的な視点からとらえるものであり,概ね国際障害分類(ICIDH)の能力低下に該当する.
【解説】
✕(1),(3)〜(5) 心身機能・身体構造(生物レベル)に含まれる.
◯(2) 歩行は,活動(個人レベル)に含まれる.
正解 : (2)
【解法の要点】
ICFの体系的な理解が求められる問題は頻出である.
【解説】
✕(1) 教育歴は 「個人因子」 の評価に含まれる.
✕(2) 住環境は 「環境因子」 の評価に含まれる.
◯(3) 職業適正は 「参加」 の評価に含まれる.
✕(4) 認知機能は 「心身機能・身体構造」 に含まれる.
✕(5) セルフケア能力は 「活動」 に含まれる.
正解 : (3)