【解法の要点】
6週間のギプス固定後であり,可動域制限や筋萎縮,浮腫などがみられると予想され,温熱療法の適応となる.本症例は8歳男児であり,橈骨遠位端には骨端線があることを考慮する必要がある.
【解説】
✕(1) 機能的電気刺激は,中枢神経系の障害によって失われた機能を末梢神経や筋に直接電気刺激を与えることで代償するものであり,本症例は適応でない.
✕(2) 極超短波は,成長期の骨端線への照射は禁忌である.
✕(3) 超音波は,成長期の骨端線への照射は禁忌である.
✕(4) 紫外線療法には,①殺菌作用,②紅斑作用,③ビタミンD生成,④免疫抑制作用などがあり,創傷治癒に利用される.
◯(5) 渦流浴では浴槽内で関節可動域訓練を行うことができ,温熱効果と水流によるマッサージ効果を得ることができるため,本症例では適切である.また,水中での関節可動域訓練は,筋力強化訓練にもなる.
正解 : (5)
【解法の要点】
水中では浮力が働くので,体重は剣状突起部で70%,臍部で40~50%,恥骨部で20%ほど免荷される.
【解説】
✕(1) 頸部までの水深では約90%免荷される.
✕(2) 剣状突起までの水深では約70%免荷される.
✕(3) 剣状突起までの水深では約70%免荷される.姿勢が変化しても水面下に存在する体積が変わらなければ浮力は変わらない.
◯(4) 臍部までの水深では約40~50%免荷される.
✕(5) 大腿部までの水深では約10%免荷される.
正解 : (4)
【解法の要点】
水中では浮力,抵抗,静水圧が働く.水中の運動と浮力が同方向では浮力は介助的に,逆方向では抵抗的に働く.静水圧は体表の血管を圧迫して静脈還流量を増やす.
【解説】
◯(1) 水面から深いほど水圧がかかる.水中で立位をとると下肢に強い圧力がかかり,静脈血が押し出されて,静脈還流量は増加する.
◯(2) 浮力により下肢への荷重量が低減しているため,関節に対する負荷は軽減する.
◯(3) 空気中よりも水中の方が抵抗は大きいため,感覚フィードバックが受けやすい.
✕(4) 屈折は水中を光が進む方向の変化であり,運動には関与しない.
◯(5) 水中の熱伝導率は空気中の23倍であり,空気中より効率良く温熱効果,寒冷効果を得られる.
正解 : (4)
【解法の要点】
水中運動療法は,プール内での水の物理的作用(浮力,抵抗,水圧など)を活用して,運動効果を得る治療法である.
【解説】
◯(1) 静水圧は,水面から深いほど水圧がかかる.水中で立位をとると下肢に強い圧力がかかり,静脈血が押し出され,静脈還流量は増加する.
✕(2) 動水圧は水中での運動速度の2乗に比例する.
✕(3) 空気中よりも水中の方が抵抗は大きいため,感覚フィードバックが受けやすくなる.
✕(4) 空気中と比べて水中では熱伝導が23倍以上大きい.水温が低いほど,水中にいる時間が長いほど熱喪失量は大きくなる.
✕(5) 胸郭を縮小させる呼気時には抵抗として作用せず,胸郭を拡げる吸気時に抵抗として作用する.
正解 : (1)