【解法の要点】
FIM(機能的自立度評価表:Functional Independence Measure)とはADLの評価尺度で介護負担度の評価にも用いられる.食事や移動などの「運動ADL」13項目と「認知ADL」5項目の18項目からなり,レベル1~7に分類され,1~2点は完全介助,3~5点は部分介助,6~7点は自立とされる.
【解説】
◯(1) 運動項目には,セルフケア,排泄コントロール,移乗,移動がある.
◯(2) 認知項目には,コミュニケーション(理解,表出),社会的認知(社会的交流,問題解決,記憶)がある.
✕(3) 認知項目の完全自立は,7点が5項目で35点である.
✕(4) 補装具を使用しての自立は修正自立といい,完全自立よりも1つ下の段階で,6点となる.
✕(5) すべてが全介助の場合,評価点はそれぞれ1点なので,18点である.
正解 : (1),(2)
【解法の要点】
WeeFIMとは,子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用につくられたADL評価法である.一般ADL(セルフケア,排尿管理,移乗,移動など)13項目と心理社会的ADL(コミュニケーション,社会的認知など)5項目の合計18項目からなり,適用年齢は6ヵ月~ 7歳である.
【解説】
✕(1),(2) Barthel IndexにおけるADLの自立度の評価項目は10項目あり,100点満点で評価される.5点が最高点の項目は整容と入浴で,15点が最高点の項目は移乗と歩行である.他は全て10点が最高点である.食事の準備は,IADL(手段的日常生活動作)に含まれている.
✕(3) FIMの完全自立(7点)は,安全で通常の時間で遂行できる必要がある.通常以上の時間を要する,補助具の使用,安全性の配慮が必要な場合は,修正自立(レベル6)である.
✕(4) FIMは「している」ADLを評価する.
◯(5) WeeFIMとは,子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに小児用につくられたADL評価法である.
正解 : (5)
【解法の要点】
FIMの修正自立とは,補助具を使用している,通常以上の時間がかかる,安全性に配慮する,といった条件下にて自立している状態である.
【解説】
✕(1) 入れ歯は整容の評価項目であるが,整容には他の評価項目もあるため,これだけでは評価できない.
✕(2) 浴槽をまたぐ手段を示しているだけで,補装具,必要時間,安全性に関する記載はないため完全自立である.
✕(3) スプーンは補装具には含まれず,食事が自立していれば食事の評価は完全自立である.
◯(4) 服の上げ下ろしの際の手すりの使用は補助具に含まれるため修正自立となる.
◯(5) 50m以上歩行しているが,補装具が必要な場合は修正自立となる.
正解 : (4),(5)
【解法の要点】
FIMは,自立度と介助量によって1~7の7段階で評価を行うADL評価法である.運動の13項目と認知の5項目で構成され,満点は126点である.
【解説】
✕(1)~(3),(5)
◯(4) T字杖などの補助具を利用しての自立は修正自立であり,歩行・車椅子および階段は6点(修正自立)となる.その他の項目は7点(完全自立)であり,点数は 6点×2項目+7点×16項目=124点 となる.
正解 : (4)
【解法の要点】
FIMの歩行の項目は,50m以上歩行しているが補装具が必要な場合は修正自立で6点,50mに満たないが補装具使用の有無にかかわらず最低15m程度の歩行が自立していれば5点,介助が必要な場合は4点か3点となる.食事については介助の必要がなければ6点以上,さらに補助具の使用がなければ7点となる.監視や指示が必要であれば5点,介助が必要な場合は4点以下となる.
【解説】
✕(1)~(3),(5)
◯(4) 介助なしで20mまで歩行が可能であるので歩行は5点,食事は補助具の使用なく自立できているので7点となる.
正解 : (4)
【解法の要点】
移乗動作に介助を要しているため,4点以下であることはわかるであろう.移乗における部分介助の目安は,患者に触れる程度=4点,手を添えてある程度引き上げる=3点,身体持ち上げながら回す=2点となっている.本例はベッド⇔車椅子間の移乗だが,往きと戻りで介助量が異なる場合は,低い方の点数をつける.
【解説】
✕(1)~(3),(5)
◯(4) ベッドから車椅子への移乗は手を添えてもらう程度で可能なので4点,反対に車椅子からベッドへの移乗では,引き上げる介助が必要なので3点である.移乗動作全体としては低い方の点数を採用し3点となる.
正解 : (4)