【解法の要点】
細分化されているICFコードは1,500項目ほどにもなるため,健康状態全般や主な傷病の患者を評価しやすいように実用性を重視して必要な項目を抜粋したものがICFコアセットである.
【解説】
✕(1) ICFコアセットには一般ICFコアセット(Generic ICF core sets:7項目からなる),包括的ICFコアセット(Comprehensive ICF core sets),短縮ICFコアセット(Brief ICF core sets)の3種類がある.
✕(2) 簡素な評価の際に対応するのは短縮ICFコアセットである.短縮ICFコアセットは,特定の健康問題や,特定の患者が直面している代表的な問題を全体的に反映するように項目が選定された包括的ICFコアセットをもとにつくられている.
✕(3) ICFコアセットは実用性を重視して必要な項目を抜粋しているため,全コードを評価しない.
✕(4) ICFとICDはWHO国際分類ファミリー(WHO-FIC)の中心分類として補完的な役割をもつ.ICDは診断のための「疾病」を分類するものである.
◯(5) 脳卒中におけるICFコアセット(ICF brief core set for stroke) には,①心身機能(意識機能・見当識機能・注意機能・記憶機能・言語に関する精神機能・筋力の機能),②身体構造(脳の構造,上肢の構造),③活動と参加(話し言葉の理解,話すこと,歩行,自分の身体を洗うこと,排泄,更衣,食べること),④環境因子(家族,保健の専門職,保健サービス,制度,政策)の各項目が含まれる.
正解 : (5)
【解法の要点】
ICFは「生きることの全体像」を捉えることを目的に医学モデルと社会モデルとを統合したモデルである.これによって,医学モデル・社会モデルを相互に補完することが可能となる.
【解説】
✕(1),(3),(4) 職業歴,性別,信仰する宗教は「個人因子」にあたる.
✕(2)屋外の移動は「活動」および「参加」にあたる.
◯(5)利用可能な保健サービスは「環境因子」にあたる.
正解 : (5)
【解法の要点】
ICF(国際生活機能分類)についての基本的な知識を問う問題である.
【解説】
◯(1) ICFの各構成要素は,相互に関連し影響を与え合っている.
✕(2) ICFは,障害者のみならず,すべての人を対象として,障害を「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換した分類法である.
✕(3) 細分化されているICFコードは1,500項目ほどにもなるため,健康状態全般や主な傷病の患者を評価しやすく実用性を重視して必要な項目を抜粋したものがICFコアセットである.
✕(4) ライフスタイルは,個人因子の1つである.
◯(5) 実行状況は,現在の環境における課題の遂行状況のことであり,活動と参加の第一評価点で示される.
正解 : (1),(5)
【解法の要点】
ICFの評価点とその内容について詳細まで問われているので押さえておこう.
【解説】
✕(1) 活動と参加の能力の評価点は,実行状況と能力によって評価する.
✕(2) 環境因子の第一評価点は,促進因子と阻害因子のそれぞれの程度を示す.
✕(3) 身体構造の第一評価点は,構造障害の程度や大きさを示す.
◯(4) 身体構造の第二評価点は,各身体部位における変化の性質を示す.
✕(5) 心身機能の第一評価点は,機能障害の程度や大きさを示す.
正解 : (4)
【解法の要点】
ICFは,障害を生活機能というプラス面からみるように視点を転換し,生活機能・障害を心身機能・身体構造,活動,参加の3つに分類したうえで,さらに個人および環境因子の観点を加えたものである.ICFにおける活動とは,課題や行為の個人による遂行を指す.
【解説】
✕(1) 住環境は環境因子に分類される.
✕(2) 家族関係は環境因子に分類される.
✕(3) 認知機能は心身機能に分類される.
◯(4) 外出時の交通手段は活動と参加に分類される.
✕(5) 活用可能なインフォーマルサービスの有無は環境因子に分類される.
正解 : (4)