【解法の要点】
一次予防とは,疾病・事故の発生防止と健康増進を目的とした予防段階である.
【解説】
✕(1) 高血圧症患者の運動療法は,脳卒中や心筋梗塞などに対する「早期治療による健康障害の防止」という観点からは二次予防であり,高血圧の悪化を防止し,機能の維持・回復を図るという観点からは三次予防と考えられる.
✕(2),(3) 合併症予防や再発予防教育は,「症状が出現した者を対象に,重症化の防止,合併症の発症や後遺症を予防する取り組み」である三次予防にあたる.
◯(4) メタボリックシンドロームの予防教育は,「発病そのものを予防する取り組み」であるため,一次予防である.
✕(5) 糖尿病性足病変患者の筋力トレーニングは,「疾病が発症した後,必要な治療を受け,機能の維持・回復を図ること」であり三次予防である.
正解 : (4)
【解法の要点】
二次予防は「健康診査等による早期発見・早期治療」である.三次予防を「疾病が発症した後,必要な治療を受け,機能の維持・回復を図ること」と定義している.
【解説】
✕(1)健常成人に対する禁煙指導は一次予防である.
◯(2)脂質異常症では,まず早期治療として食事指導や運動指導を行い,病状の進展防止をはかる.
✕(3)回復期脳血管疾患患者の服薬指導は,再発予防になるため三次予防である.
✕(4)急性期脳血管疾患患者の血圧管理は,再発予防になるため三次予防である.
✕(5)生活期の脳血管疾患患者に対する運動指導は,機能障害や能力低下の防止(リハビリテーション)にあたるため三次予防である.生活期とは障害が安定した後に在宅や施設で過ごしている時期である.
正解 : (2)
【解法の要点】
介護分野においては生活機能の低下の予防,維持・向上に着目した一次予防,二次予防,三次予防の分類を行っており,一次予防を「生活機能維持・向上」,二次予防を「生活機能低下の早期発見,早期対応」,三次予防を「要介護状態の改善・重症化予防」とそれぞれ定義している.
【解説】
✕(1) 介護予防のボランティア養成は一次予防の「地域介護予防活動支援事業」に含まれる.
◯(2) 基本チェックリストによる対象者決定は,各自治体が行う介護予防事業について,近い将来に要支援・要介護状態となるおそれがある高齢者で介護認定を受けていない人(二次予防事業対象者)を選定するものである.「生活機能低下の早期発見,早期対応」を目的とする,二次予防の「対象者把握事業」に含まれる.
✕(3),(4) 「要介護状態の改善・重症化予防」であり,三次予防にあたる.
✕(5) パンフレットの啓発活動は一次予防の「介護予防普及啓発事業」に含まれる.
正解 : (2)